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デーモンハント

第6章 発見

夜になり、エルザとソレルは椅子に座っていた。
テーブルの上には紙袋が置かれている。

シフォンは既に部屋で眠っていた。

「……これで見つけられるのよね?ソレル」

真剣な表情でエルザが言うと、ソレルは紙袋を手に取って中身を取り出す。

「はい、間違いなく」

ソレルは仮面をくるんでいる紙を取り、仮面を手に持った。
そして仮面を両手で持つと、深く呼吸をする。

「はぁ、これで俺のあんな記憶やこんな記憶が敵に知れてしまうのですね……」

悲しそうにソレルが言う。
エルザはソレルから視線を外し、顔を反らす。

「……なんか、悪いわね、ごめんなさい」

小さな声で言ったエルザを見て、ソレルは少し悲しげな顔をする。

「俺の方こそすみません、これでエルザと俺の関係も全て向こうに知れてしまうので」

ソレルはそう言って苦笑いをした。
エルザは少し視線を泳がせて、ソレルの言葉の意味を理解しようとする。

そして気付いた。

「そ、それって、アタシとソレルの、その、魔力補給が知られるってこと?」

震える声でエルザが聞くと、ソレルはうんと頷く。
それを聞いたエルザの顔が真っ赤になる。
魔力補給。
すなわち身体を重ねている記憶も見られるという事だ。

「え、嘘、それって、アタシが、うぇぇ!?」

言葉にならない声を漏らしてエルザが顔を両手で隠す。
ソレルは仮面を持ちながら、エルザを見つめた。

「やっぱり、やめます?」

ソレルが聞くとエルザは頭を抱えて足をぱたぱたと動かして、羞恥心に悶える。
しかし、エルザは腹を決めてソレルを見た。

「やめない、バレたっていいわ、すぐに殺すもの」

エルザは目付きを悪くしながら言うと、腕を組んで大きく息を吸う。

「さぁ、やって」

覚悟を決めたエルザが言い、ソレルは頷く。

「では、始めますね」

そう言ったソレルは、目を閉じ、仮面を口もとに寄せ、そっと口付けをした。

仮面から魔力がソレルに流れ込む。
ソレルは眉間にシワを寄せて、濃度の高い魔力を追った。

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