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デーモンハント

第6章 発見

星が輝く夜。
エルザとソレルを乗せた車は、寂れた建物の前に到着した。
車を降りた二人は、汚れてボロボロになった建物を見上げる。

元々はきらびやかなカジノだったが、ある日突然、オーナーが自殺したのをきっかけに、あっという間に経営不振になり、前オーナーの後任についた新たなオーナーも夜逃げ同然に姿を消してしまった。

結果、後を継ぐ者も現れず、カジノは潰れてしまった。

全てが急なことだったためか、中はカジノが潰れる前とほぼ変わらず、機械や台などが置かれているらしい。

「こんな近くにいたのね、気付けなかったなんて、悔しいわ」

エルザは呟く。
それを聞いたソレルは、空気の匂いを嗅いで、自分の鼻を指で触りながら、エルザを見た。

「匂いもしませんし、魔力も感じられません、ここまで上手く隠れるなんて、すごいですね」

感心したようにソレルが言ったのを聞いたエルザは、ソレルを睨み付ける。
ソレルは「はは」と、誤魔化すように笑った。

「行くわよソレル」

エルザが言ったのを聞いたソレルは、歩きだそうとしたエルザの肩に手を置いて、進むのを妨害する。

「何よ?」

自身を止めたソレルの方を見た。

「中に入ったら、もう仮面の悪魔の手のひらの上のような物です、気を付けてくださいね」

ソレルに言われ、エルザは小さく頷く。

「分かってる。忠告有難う」

そう返し、エルザは歩きだす。
ソレルもできるだけエルザから離れないようにしながら、歩きだした。

壊れて開きっぱなしになったドアから、カジノの中へと入る。
暗いエントランスを見回していると、突然ぱっと明かりがついた。
そして、エルザ達の前に、仮面を着けた悪魔が現れる。

「ようこそ、待っていたよ」

仮面の悪魔はそう言って、にんまりと笑った。

「お出迎え有難う」

エルザは悪魔を睨みながら返し、一歩、悪魔に近づく。

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