テキストサイズ

デーモンハント

第2章 デーモンハントの仕事

食事を終え、エルザとシフォンは向かい合って座っていた。
後片付けを終えたソレルがやって来て、早速仕事の準備を始める。

時刻は六時半。
エルザも仕事の準備のために立ち上がろうとした。

「もう行くの?」

寂しそうにシフォンが聞く。

「そんな顔しないで、さっさと終わらせて帰って来るから。シフォンは先に寝ていて」

エルザがシフォンに言うと、シフォンは頷いた。

そして、手早く準備を終えたエルザとソレルは部屋を出ていく。
二人が出ていった玄関を見ながら、エルザは震えだした自分の体をぎゅっと抱き締めた。



アパートを出たソレルとエルザは、車に乗っていた。
運転をしているのはソレルだ。
助手席でエルザは何枚かの紙を見ている。

「今回の相手も下級悪魔ですね」

ソレルが言うと、エルザは頷いた。

「その予定だけど……ちょっと気になるね、被害者が多い」

エルザは苦い顔をして、紙を睨む。

「確認されているだけでも、十人の人間を食ってる」

それを聞いたソレルはため息をついた。

「それは、面倒な相手になりそうですね」

ソレルが言うと、エルザは紙をくしゃりと握って、前を見る。

「ま、面倒な相手だろうとアタシのやることは変わらない……悪魔を殺す、それだけよ」

エルザは言って、ニッと笑った。
隣でソレルは。

「おー、こわい」

と怖がる振りをする。
車に揺られること一時間。
目的地についた二人は、車を下りた。

そこは既に使われなくなった廃ホテルだった。
エルザとソレルがホテルの入り口をこじ開けて入ると、明かりがつく。

まるで二人を歓迎するように。

二人はお互いの顔を見合せてから、無言で歩き出す。
このホテルのどこかに、悪魔がいるハズだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ