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デーモンハント

第2章 デーモンハントの仕事

ホテル内はエルザが想像していた以上に綺麗だった。
営業しているホテルと比べれば小汚ないし、ガラス片や劣化したカーペットなどがあるが、明かりがあるだけでも大分違う。

「視界が明るいのは楽ですね」

へらへらと笑いながら、ソレルはいった。
確かに、暗いよりは明るい方がエルザにとっても都合がいい。

「ソレル、何処に悪魔がいると思う?」

エルザが聞くと、ソレルは目を閉じて鼻をひくひくと動かす。

「うーん、この階層にはいないですね、上に行きましょう」

ソレルに言われ、エルザが階段に向かおうとすると、階段がある通路に人間の足が落ちているのが見えた。

ここに迷い込んだ人間のものなのか、はたまた悪魔に連れ去られた人間のものか。
それは不明だが、確実にここに悪魔がいることを示している。

エルザは足をまたいで階段に向かった。



二階に上がると、ソレルはまたにおいを探る。

「ここでもない」

ソレルが残念そうに言った。

「早く終わらせたいのに」

エルザが不満そうに呟く。
ソレルはそれを聞いて頬を指で掻いた。

「じゃあ、もっと広範囲を調べてみましょうか?敵にも此方の事がバレますけど」

ソレルが聞くと、エルザは頷く。

「構わない、やって」

そう言われ、ソレルは目を閉じると片手で目を隠し、深く息を吸った。
ソレルの体から黒い煙がふわりと上がり、足下が淡く光る。

「うーん、これは……四階ですね」

言って、ソレルは目を開けた。
煙が消える。
エルザはふっと笑い、四階に向かって階段を上り始めた。

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