ほしとたいようの診察室
第8章 入院生活は続く
「難しそうだったら、半分でもいいよ。この後吹田先生が来るから、相談してみてもいいかも」
「……吹田先生も、来るの?」
吹田先生がきたら、絶対に何か言われるし、条件付きでご飯を食べさせられる未来が見える気がしたので、気持ちが下がる。
それを察してか、叶恵さんは笑って付け加えた。
「うん。でもいつもの回診ね。今日は胸の音聴くだけだと思うよ」
それでも、ちっとも心は休まらない。
結局、吹田先生はここへ来るし、吹田先生がわたしを治療から逃がしてくれるわけもない。
なんなら治療の方法が変わって、わたしにとって過酷になる提案をされることだって、無くはないのだ。
胸の中の憂鬱が、雪玉を転がすように速く大きくなる。憂鬱も不安もぜんぶ、いっそうのこと雪のように溶けてくれたらどれだけいいだろうか。
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