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ほしとたいようの診察室

第8章 入院生活は続く

……



side:のぞみ




昨日から、熱が出ている。
日中に何度も看護師さんに熱を計られて、その度に温度が上がっていくような気がしていた。

今朝も8度台から下がらないまま。解熱剤を飲んでもなかなか効かずに、だるさだけが残る。

息も苦しくて、咳がずっと出て……なんだか意識がぼんやりしている。

風邪……?



いや、これが先生たちが言う、喘息なんだろうか?




こんなにつらかったっけ?




「ゴホッ、ゴホッ、……」



咳をする度に背中が痛くなって、もう咳はしたくないのに、勝手に出てくる。

ホルモン剤のせいで吐いたり、喘息のせいで咽せたり、忙しい身体はわたしのものなのに言うことを聞かない。身体中のあちこちが痛い。

吐く回数が多くなるほど、喉元の筋肉が緊張して、筋肉痛のように痛むようになることを初めて知った。


知りたくない初めてのつらさが、どんどん押し寄せてきて、わたしにはもうそれが受け止めきれない。



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