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ほしとたいようの診察室

第8章 入院生活は続く



「ゴホッ、ゴッ……‼︎」


喉の奥がヒューヒューと音を立てる。

苦しい。苦しいけど、息が吸えない。
咳も、止まることを知らない。



苦しい……。



誰か……。




波のように押し寄せた苦痛に飲まれてしまう。
水の中に入っていくように、すべての音が聞こえなくなる。


助けて……、苦しい……。


息が吸えない。咳で出ていくばかり。
吐き気だって、一瞬も楽になってくれない。




あぁ、溺れているみたいだ。





意識を手放す寸前に、光のように降り注ぐ声がある。





「のんちゃん、しっかり」




吹田先生……?




回診にやってきた吹田先生が、慌てることもせず淡々と処置にあたる。


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