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ほしとたいようの診察室

第8章 入院生活は続く




わたしの両手が、ずっとお腹に当てられていることを目にしてから、陽太先生は額や首もとに手を当てて様子を見る。



「ちょっと胸の音聴くよ」



さらに、聴診器を取り出して、シャツの上から音を聴く。
陽太先生は着々と、わたしが生きていることを確かめていく。



最後に聴診器を仕舞うと、わたしのお腹に手を当てた。



「お腹、痛い?」




フルフルと首を振ってみたが、その時にはもう強い生理痛のような痛みがあって、体を伸ばすことができずにいた。


「のんちゃん。正直に。」



怒気を孕んだその声に、もう嘘をついていい状態じゃないと思い直す。


「痛い……すごく、いたい…」


声を振り絞る。




「歩ける?」



首を振った。もう一歩も歩けない。




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