ほしとたいようの診察室
第8章 入院生活は続く
「のんちゃん、お腹の様子見ていくね。ちょっと冷たいよ」
ジェルを取ると、大海先生がお腹にエコーを当てた。
「うっ……」
その冷たさにすくみ上がり、嫌になって手でエコーをどけようとすると、吹田先生と陽太先生に体を抑えられた。
「ごめん、ちょっとこうするね」
陽太先生は枕元にやってくると、わたしの両手を頭の上に持ち上げて、軽々と動きを封じた。
「やだっ……、おねがい、はなしてっ……!」
聞き入れない願いを言いながらじたばたと腕を動かそうとするが、びくともしない。
「のんちゃん、我慢だよ」
そう言われて嫌になって、今度は足を動かそうとすると、吹田先生に押さえ込まれる。
その間も、エコーはお腹の上を滑り続け、悪いところを着実に炙り出していく。
それがわかっているから、エコーは嫌なのだ。
「やだ……きもちわるい……」
泣きながら訴えても、
「動かない」
吹田先生に一喝されて終わる。
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