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ほしとたいようの診察室

第8章 入院生活は続く






「……」






また、わたしばっかりかっこ悪い。





そんなふうに思って、布団を握る手に力を込める。








「……俺が、『あとで説教だ』って言ったこと覚えてる?」




おぶられた後、陽太先生の背中で聞いた声を思い出す。



「それは……忘れてた……かも」



おずおずと答えると、陽太先生はなんでもないふうに言った。



「まあ、吹田先生から説教は任されたから、心を鬼にしようかな」



「え……!」



心の傷がさらに深まりそうな予感に、飛び上がる。しかし、その原因を作ったのは自分だから仕方ない。







恐る恐る陽太先生を振り返ると、ふっと笑った。





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