ほしとたいようの診察室
第9章 ひとときの外出
「これは回収するね」
「……大海先生と吹田先生に証拠を差し出すつもりですか」
陽太先生が取り調べ中の警察官か何かに思えて来て、どきりとする。もちろん犯人はわたし。
「半分そうだけど、半分違うよ」
陽太先生は、からからと声をあげて笑う。
「ここまで頑張ったんだから、もうどうこう言わないよ。退院も近いんだし。ただ、退院してから薬の調整もあるだろうから、一旦預かっておくね」
「……わかりました」
「まあ、吹田先生はこれ見て大爆笑するだろうけど」
「もー、勘弁してほしいです……」
頭を抱えた。
容易に想像がついてしまうから悔しい。
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