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ほしとたいようの診察室

第3章 お仕事&お仕事



「とりあえずね、検査結果。聞きに来るの忘れてたね?」


吹田先生がわたしに向き直って言う。


「まあ、来ないと思ってたがな」


優先生が、緊張するわたしの頭をポンっと撫でる。



なんとも答えられずに黙っていると、吹田先生はわたしに紙を手渡した。


「これね、健康診断の結果。これだけで見ると異常はなさそうなんだけど……」



話しながら、今度はデスクトップを操作する。


「血液検査の結果が、正直ちょっと……いや、かなり良くないかなってところで」




かなり良くない、ってどういうこと……?




診察室の空気が、重くなる。
怖くなって、震えるわたしの背中を、陽太先生がさすった。






「子どもの時にやってた病気がね、再発してる可能性がある」





はっきりと、吹田先生がそう言った。


息を飲む。




……また、入院したり、治療したりしなきゃいけない……ってこと?




「先生……仕事は……どうなるの……? せっかく、食堂で働き始めたのに……」

細く弱々しい声しか出すことができない。

「大丈夫。働きながら、治療できるよ。でも悪化したら入院することになる。だから無理はしないで」


「……はい」


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