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ほしとたいようの診察室

第3章 お仕事&お仕事


「まったく、優秀なんだ、あの看護師さんは。さすが、うちの医局長のヘッドハンティングなだけある」


「医局長? ヘッドハンティング??」


目を丸くすると、大海先生がかわらずゆっくりとした口調で続けた。


「のんちゃんが入院してたころは、叶恵さん、小児科の看護師さんだったでしょ? うちの医局長の早乙女先生が、あんまりにも叶恵さんが優秀だから、引き抜いてきたんだ」


言いながら、柔らかい笑みを浮かべる。
妊婦さんや、赤ちゃんも診るから、きっと優しい雰囲気なんだなぁと思った。

と、同時にすっかり大海先生のペースに飲まれて、自分が何をしにここに来たのか忘れてしまいそうになっていた。


「女医さんじゃなくて申し訳ないんだけど、僕がのんちゃんの担当をすることになったから、どうぞよろしくね」


さらりとのんちゃん呼びになったことに気づかないくらいに、大海先生の空気に身を委ねていた。


「よ、よろしくお願いします」


のんびりな口調に少し落ち着きを取り戻したわたしは、大海先生にぺこりと頭を下げる。

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