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ほしとたいようの診察室

第4章 心と身体


よく見たら陽太先生はいつもの白衣ではない。

Tシャツにジーンズという、ありふれた格好だったけど、人の目を引くくらいには……なんというか、かっこよかったのである。



確か今日は、陽太先生は食堂には顔を出さなかった。当直明けか休みかもしれない、そう思っていた。

……姿が見えなくて、少し寂しかったけど……。




受診をさぼっている後ろめたさと、突然出会った私服の陽太先生にたじたじになってしまい、なんと挨拶していいかわからなかった。


「あ、えーっと……お疲れ様です」


「うん、お疲れ様。身体はつらくない?」


いちばんに、身体のことを心配してくれる。


「……はい」


……本当はかなりつらい。副作用に振り回された身体は、疲れていた。




「そっか。無理せずね」


「あの、それじゃあーーーー」



早々に話を切り上げ、エレベーターに乗り込んで、部屋のある階へ行こうとした時だった。







陽太先生が、わたしの腕を掴まえる。

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