
ほしとたいようの診察室
第4章 心と身体
「だーれものんちゃんに苦しい思いしてほしいと思ってないんよ」
陽太先生の優しい声に、苦しくて、喉の奥が潰れそうになった。
「……ごめんな……さい……わた…し……わたし……」
しゃくりあげながら、声を振り絞る。
「うん?」
「好きな……仕事……ついたのに……楽しくなくて……」
「うん」
陽太先生は、途切れ途切れになるわたしの言葉を待っていた。
「病気のせいで……みんなに……迷惑……かけて……」
「そっかそっか、つらかったね、のんちゃん」
頷いたわたしの頭を、ゆっくりと、陽太先生が撫でた。
……こんなに、つらかったんだ。
「落ち着いたら、一緒に病院行こう」
陽太先生はわたしの背中を撫でながら、落ち着くのを待ってくれたのだった。
