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ほしとたいようの診察室

第4章 心と身体

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おそるおそる、内科の診察室のドアを開ける。


「遅かったね、のんちゃん」


「……すみません」


「座って」


外来終了ぎりぎりに、滑り込みでの受診になってしまった。俯きながら、椅子に座る。


吹田先生はわたしを一瞥すると、手元のカルテに目を落とす。


「今日はなんとなく、もう来ないかと思ってたよ」


怒られるかな……そんなことを思って、そっと顔を上げると、




「捕獲失敗したかと思って」





思ってみない言葉が出た。

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