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ほしとたいようの診察室

第4章 心と身体





「え…? ほ、捕獲……?」



なんてことないようにカルテをめくりながら、吹田先生は話す。


視線をカルテからわたしに戻した。


「今日は、誰と来た? また陽太先生かな?」


淡々としていた表情が、ふっと意地悪な笑顔になる。

なんとなく気まずくなっていた診察室の空気が緩んだ気がした。


「え、いや。まぁ……たまたま、会って……」


図星だったのもあって、なんとも言えない返事をして、俯いてしまう。

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