
ほしとたいようの診察室
第4章 心と身体
診察が始まる。
「じゃあ、診察させてね」
その目の奥が、すっと真剣な色に変わった。
緩んだ空気が引き締まった気がした。
「ちょっといいかな、首、触らせて」
吹田先生はわたしに近づくと首元を触る。
「ここ1ヶ月、青アザが異様にできるとか、怪我して血が止まらないこととかはなかったかな?」
「……それは特になかったです」
「うん、よし。他に気になることはある?」
「……どちらかと言うと、婦人科の薬がきつくて」
言いつつ、お腹をさすった。腹痛は常にある。
「副作用、強かった?」
「……はい。吐き気とか腹痛とか」
「そうだね……。毎日具合悪い?」
カルテにメモを取りながら、わたしの言葉に耳を傾ける。
「腹痛はほぼ毎日で、吐き気も……3日に1回くらいあります」
今朝もあまり調子が良くなかったことを思い出す。
ほぼ毎日こんな調子で、不安になっていた。
「……結構つらそうだね。また大海先生の方にも相談してみて。もう少し身体に合った薬があるかもしれないから。僕からも大海先生に話してみる」
「……ありがとうございます」
……良くならないのかな……。
吹田先生の表情も、決して明るいものではない。
