
ほしとたいようの診察室
第4章 心と身体
「あ、陽太先生? ごめん、いまさ、のんちゃん捕まえたんだけど」
「え! ほんとに?!」
ほっとすると同時に、電話の向こうからのんちゃんが叫ぶ声が聞こえて、思わず笑ってしまう。
『だめーー! よーたせんせにもしもししないでーー!』
「ちょっと、しーっ。暴れない。うるさいよ、のんちゃん。病院では大きい声はダメでしょ。具合悪い人もいるんだから」
吹田先生は電話の向こうにいるのんちゃんに言い聞かせる。
大声だけでなく、じたばた暴れているらしい。
「よかった〜、元気そうだね? いま手分けして探してたところだったんだよ。どこに居た?」
「2階、中央エレベーターの前。なんだか両手に絵本とぬいぐるみ持って乗ろうとしてる子がいるなぁと思ってさ」
「まじか、どうやって病棟出たんだろ。ありがとう、とりあえず迎えに行くから捕獲しておいてもらえるとありがたい」
「了解〜」
PHSを切ると、吹田先生がいるところに急いだ。
すぐさまナースステーションと蒼音くんにのんちゃん確保の連絡を入れると、全員が安堵の表情を浮かべたのだった。
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