
シャイニーストッキング
第8章 絡まるストッキング7 本部長大原浩一
221 昔の話し(2)
「そうかぁ、あの○△生命かぁ…」
「えっ、知ってるの?」
彼女のその呟きが気になった。
そういえば、私もきよっぺの仕事の話しは訊いていなかった…
「きよっぺは?…」
「え、あ、わたしか…
そういえば、わたしも大学入学以後のお話ししてなかったわねぇ…」
そう言ってくる。
そして私は黙って頷く。
「ええー、訊きたいのぉ?」
「うん…」
「でもさぁ、つまんないわよ」
「そんな事ないから…」
私は他人の人生は否定しない派なのである。
誰にでも、その年齢までの生き様、生き方、人生があるのだ…
それをつまらないなんて決して言えない。
「訊きたいな…」
「うん、こっぺとも少し関係するかもね…」
と、そうポツリと呟き、私の顔を見て、話しを始めてくる。
「あのさぁ…」
…体育大学入学して半年後に、股関節脱臼しちゃってさ、あ、ほらフェンシングって股関節の動きがかなり重要でさぁ、そしてその股関節脱臼がクセになっちゃって、致命傷になっちゃって、結局は大学二年の秋で大学を辞めちゃったのよ…
「えっ、それは…」
それは本当に知らなかった…
「うん、そうなのよ…」
…それに体育大学だから、その怪我で居辛くなっちゃって退学しちゃったの、で、その時優しくしてくれた男が元旦那なのよ。
でね、次の春に慌てて秘書系の専門学校に入学して、卒業後になんとか△△生命保険本社に就職できたの…
「△△生命保険本社って、最大手じゃないか」
「うん、たまたま、なぜか就職できたの…」
その時、少し心が騒ついた。
同じ保険絡みだ、これが少し関係するって事か…
「本社が新宿でね、あの頃は荻窪に住んでいたなぁ」
「え、そうなんだ」
きよっぺはニコリと頷く。
「でもね、秘書の仕事が意外にわたしにはつまらなくってさ…」
…その時身近に居た総合職の女性に憧れてね、勉強して『CFPの資格』を取って、保険リスク系の部署に移動させてもらってさ、今でいう『フィナンシャルプランナー』の奔りみたい感じになったのよ…
「えっ、それって…」
正直、私はそのきよっぺの話しの内容に驚いていた。
いや、かなり驚いてしまう。
なぜならばその『CFP』の資格とは…
「そうかぁ、あの○△生命かぁ…」
「えっ、知ってるの?」
彼女のその呟きが気になった。
そういえば、私もきよっぺの仕事の話しは訊いていなかった…
「きよっぺは?…」
「え、あ、わたしか…
そういえば、わたしも大学入学以後のお話ししてなかったわねぇ…」
そう言ってくる。
そして私は黙って頷く。
「ええー、訊きたいのぉ?」
「うん…」
「でもさぁ、つまんないわよ」
「そんな事ないから…」
私は他人の人生は否定しない派なのである。
誰にでも、その年齢までの生き様、生き方、人生があるのだ…
それをつまらないなんて決して言えない。
「訊きたいな…」
「うん、こっぺとも少し関係するかもね…」
と、そうポツリと呟き、私の顔を見て、話しを始めてくる。
「あのさぁ…」
…体育大学入学して半年後に、股関節脱臼しちゃってさ、あ、ほらフェンシングって股関節の動きがかなり重要でさぁ、そしてその股関節脱臼がクセになっちゃって、致命傷になっちゃって、結局は大学二年の秋で大学を辞めちゃったのよ…
「えっ、それは…」
それは本当に知らなかった…
「うん、そうなのよ…」
…それに体育大学だから、その怪我で居辛くなっちゃって退学しちゃったの、で、その時優しくしてくれた男が元旦那なのよ。
でね、次の春に慌てて秘書系の専門学校に入学して、卒業後になんとか△△生命保険本社に就職できたの…
「△△生命保険本社って、最大手じゃないか」
「うん、たまたま、なぜか就職できたの…」
その時、少し心が騒ついた。
同じ保険絡みだ、これが少し関係するって事か…
「本社が新宿でね、あの頃は荻窪に住んでいたなぁ」
「え、そうなんだ」
きよっぺはニコリと頷く。
「でもね、秘書の仕事が意外にわたしにはつまらなくってさ…」
…その時身近に居た総合職の女性に憧れてね、勉強して『CFPの資格』を取って、保険リスク系の部署に移動させてもらってさ、今でいう『フィナンシャルプランナー』の奔りみたい感じになったのよ…
「えっ、それって…」
正直、私はそのきよっぺの話しの内容に驚いていた。
いや、かなり驚いてしまう。
なぜならばその『CFP』の資格とは…
