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　241　GPS機能

「こんな美人さん放っておいて、すっかり子供達を任せて寝てばっかりなんてダメじゃん」
「あ、いや、面目ない…」
　この二人の会話に私の反論する隙はなかった。

　どうやら私が昼寝している間にノンがやって来て、すっかり律子と意気投合をしたようであったのだ…

「そんなノンさん、わたしが好きで子供達と遊んでいたんですよぉ、久しぶりにすっごく楽しくて…」
　そう律子はノンに話していくのだが、こんな明るく、楽しそうな律子の顔を見たのは初めてである。

「本当に楽しくてぇ」
　律子は満面の笑みであった。

　あ、こんな顔もするんだなぁ…

　あの『夢の国』で見せた笑顔とはまた違った笑顔だ…

　そうだよなぁ、まだ、28歳なんだからなぁ…
　律子のそんな顔を眺めながらそう感嘆しながら思っていた。

「また子供達と遊んできますねぇ」
　そして律子はそう言って流れるプールに走っていく。

　すると…
「もお、彼女と一緒だったんなら、来なかったのにぃ」
　と、ノンは言ってきた。

「あ、いや、違うんだよ、本当に突然来たんだよ、それもこのプールで会っのもホントただの偶然でさ…」
　私は慌てて言う、だが、これは本当の事であるから、はっきりと言えたのだ。

「うん、それはさっき本人も言っていたけどさぁ…
　本当なんだ…」
　私は黙って頷く。

「だったらすごい事よねぇ」
「ああ、そうなんだよ…
　本当に行動的でアグレッシブでオレもびっくりしちゃってさ」
「うーん、確かに」

「まるでGPSでも付けられてるんじゃないかってさ、何度も思った事があるくらいなんだよ」
　そう言うと…
「それってさぁ、あながち間違ってないかもよ」
　ノンはそう言ってきたのだ。

「えっ」
「携帯電話にGPS機能付いてるじゃん」
「えっ、そうなの？」

「あら、知らなかったのぉ」
　逆にノンに驚かれてしまう。

「あ、うん、知らなかった…」
「あらまぁ…」

　携帯電話にGPS機能が付いているなんて本当に知らなかったのだ…

「まじか…」
「だから、調べ様によっては分かるけどさぁ、まさかあの律子さんがねぇ、そこまでやるとは思えないけどねぇ…」
　しみじみとした表情で呟いてくる。

　そういえば今、律子さんて呼んでいたな…

　私がすっかり昼寝している間にかなり話しを交わしていたみたいだ…