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シャイニーストッキング

第2章 絡まるストッキング1

 104 蒼井美冴 ②

 この彼、武石健太くんは本当に爽やかな雰囲気があり、清潔感があって、やはり越前屋さんと同じように笑顔に愛嬌がある。

 かなりモテるんだろうな…
 結構、年上の女からモテそうだな、そうとも思っていた。
 だが、朝イチの彼との初対面から気になっている事が一つあったのだ。

 それは彼から感じる、脚フェチ、ストッキングフェチの目、視線なのである…

 今日の仕事中、SEの中島彩美さんとシステムプログラムの確認作業をしている時に、ふと、彼のそのフェチ的な視線を何度となく感じていたのだ。
 そして彼のそんなフェチ的な視線は、あの昔の、禁断の関係をしてしまった和哉の、あの視線を想起させてくるのである。
 つまりはわたしのストッキング脚に興味のある、フェチ的な視線という事なのだ。

 そしてそのフェチな視線がわたしの、まだ完全ではない情緒不安定な自律神経を、ザワザワと騒つかせ、ズキズキと微妙に疼かせてきていたのである。
 徐々にこの席でのわたしの想いは、そんな疼きの思考に覆われていくのであった。
 それにこの酒宴での酔いのせいもあるのかもしれない。

 そして徐々に脳裏を覆ってくる疼きの思考が命令をしてくる。

 彼を、健太を刺激しろ、そしてフェチ的な想いを確かめろ…
 と、そう命令してくるのだ。

「よいしょっ」
 わたしはそう言いながら堀コタツから脚を持ち上げ、彼の方に完全に爪先を向けるカタチの横座りをする。
 すると、彼はさり気ないフリをしながら、わたしのストッキング脚の爪先を凝視してきたのである。

 やはりそうか…

 間違いない、彼もストッキング脚フェチだ、その視線の凝視に確信した。
 ストッキング脚フェチは皆、ストッキングに覆われた爪先が大好物なのだ。
 だからこのわたしのストッキングに覆われた爪先から視線が外せないのである。

「あ、ごめんね、よいしょっ、なんて、おばさん丸出しね…」
 わたしは思わずはにかむ笑みを浮かべ、そう言った。

「一日中ヒール履いてると痛くて…」
 そう言いながら、横に置いたストッキング脚の足の裏近辺を、左手で触れて、軽く揉み始めていく。

「ああ、気持ちいい…」
 わたしはそう呟きながら自ら揉んでいく。

 そして彼はその様子を昂ぶらせた感じの目を向けて、視線を外せなく凝視していたのである。






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