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シャイニーストッキング

第2章 絡まるストッキング1

 107 蒼井美冴 ⑤

 あ、まずい…

 わたしはそんな彼の目に疼きのスイッチを入れられてしまったようで、昂ぶり始めてきたのである。

 ウズ、ウズ…ズキ、ズキ、ズキ、ズキ…

 これは少し危険な疼き方であった。
 この前の抑えが効かなかった夜の、あの自律神経が不安定になってしまった感じの疼き方なのだ。

 まずい、まずいわ、こんな場所で…
 わたしは思わず大原本部長を見る。
 たが、本部長はわたしの視線には気付かない。
 
 あっ…

 すると佐々木ゆかり部長がわたしの本部長への視線に気づいたようで、フッとわたしを見つめてきたのだ。
 わたしはそれに慌てて視線を逸らし、横を向く。
 そのゆかり部長の反応の速さはレーダーのようであった。
 そしてそれは、まだ、わたしに対して意識をしているという事の証明であるといえるのである。

 すると横を向くと、そこには再び健太くんが座っていたのだ。
 さっきまで間に座っていた越前屋さんは、遅れてきた上野さんと共に、本部長とゆかり部長の横に移っていたのである。

 そしてわたしと健太くんは再び目が合ってしまうのだ。

 ズキ、ズキ、ズキ、ズキ…
 疼きが昂ぶる。

「お、俺が…」
 健太くんはそう呟きながら、手を伸ばしてきて…

「お、俺が、そこ、揉んであげますよ…」
 そう呟き、ストッキング脚の脚首を掴み、脚裏を指圧してきたのである。

「えっ、あっ…」
 わたしは突然に脚首を掴まれて、ビクッと脚を震わせてしまった。

 そしてそう呟き、脚首を掴んできた健太くんの目には欲情の光が宿っていたのである。
 おそらくこの時、わたしと健太くんは同じように欲情の疼きをしていたと思われた。

「あっ…」
 そして健太くんの指が、ゆっくりと脚裏を揉んできたのだ。

 あ、んん…
 ヤバかった、感じてきていた。
 揉まれている左脚が、揉まれる度に震えてしまうのである。
 まるでセックスの軽い前戯のように感じてきていたのだ。
 わたしはその微妙な快感を紛らわすように、冷たいレモンサワーを飲む。

 ズキ、ズキ、ズキ、ズキ…
 疼きが、子宮の疼きへとシフトしてしまったようだ。

 ああ、ヤバい、感じて…

「あーっ、何してんですかぁ」
 その時、突然、越前屋さんがそう言ってきたのだ。




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