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シャイニーストッキング

第9章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり

66 黒歴史…(1)

 本当の黒歴史といえる彼『蓮』との過去の苦い思い出が、ザワザワと騒つきながら心に浮かんできていた…

 蓮との出会い…
 あれはちょうど約10年前の20歳、いや、間もなく21歳の大学3年生の初夏の頃だった。

 わたしは大学進学と同時に、一気に、いわゆる『大学デビュー』というイメチェンを図った。
 それまでの、その大学付属の高等部時代までは、マジメに、それこそ勉強に、部活に勤しみ、そしてピアノを習い、中等部まではバレイを習い、高等部では中等部からのバスケットボール部を続け、塾にも通い、そして趣味は読書…
 こんなごくありふれた、普通のマジメな女子高生として過ごしていたのである。

 しかし、エスカレーター式での大学進学と同時に
 眼鏡からコンタクトに代え…
 当時流行りのソバージュパーマをかけ…
 化粧をし…
 やはり当時流行りのボディコンシャスなファッションを着て…
 大学で一番派手で軟派なサークルに入り…
 速攻で、そのナンパサークルの新歓コンパの夜に処女を奪われ…
 いや、自らの鎖を外す為に処女を破棄したのだ。

 そしてわたしは一気に大学デビューを果たし、派手で軟派な大学生活を謳歌し始めたのである…

 だが、わたしは一人娘であり、父親は公認会計士、母親は薬剤師、そして父親の実家は代々続く地元である目黒区エリアの大地主の名家といういわゆるお嬢様であったし、その自覚は十分にあったので表面はお嬢様然とし、ちゃんとマジメに大学に通いながら裏では弾ける…
 そんな大学生活を送っていた。

 その大学のサークルは当時はナンパサークルとしてテレビに取材される程の派手なサークルであり、そんな中でわたしはすぐにそのサークルの中での女王様として煽て、持ち上げられる…

 そしてその頃からわたし自身が、万人受けするいい女の部類なのだ…
 と、自覚し始め、そしてそれを武器に当時、遊びの流行の最先端である
『ディスコ』に通い始めたのである

 まずは大学生の入門的である新宿エリアのディスコでデビューをし、次に渋谷エリア、横浜エリア、そして六本木エリアへとステップアップを踏んだのが大学3年生に進級した春先の頃であった…





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