テキストサイズ

シャイニーストッキング

第9章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり

 101 黒歴史…(36)

 わたしの中に一つだけ
『麻薬にだけは手を出さない…
 狂うのはあくまでも大麻だけ…』
 という誓いの想いがあった。

 わたしの中で大麻、つまりマリファナは中毒性が無い…

 それ以外、覚醒剤、コカイン、そして当時出回り始めていたLSD等は、中毒性のある麻薬である…
 という想いがあったのだ。

 そしてやるなら中毒性の無いと云われている『大麻、マリファナ』限定にする…
 それ以外には手を出さない…
 と、そんな単純な想いなのであるが、そう誓っていたのであった。

 なぜなら、当時のわたしの周りのディスコクラブの環境には、其れ等の麻薬等に手を出してしまい、そして深みにハマってしまい、狂い、堕ちていった人間が沢山いたからである…
 そしてそんな彼等、彼女等は、わたしの知る限りはとことん堕ちて行くか、警察に逮捕されるかで人生の全てを無くしてしまっていたのだ。
 また、偶然にもそれを身近かに、そして間近かに見る機会が何度かあった為に、意外にもそんな誓いを守る事が出来ていたのである。

 いや、違う…
 怖かったのかもしれない。

 たまたまこの『マリファナ、大麻』という存在感、はわたしにとっては大学デビューを果たしてからの今イチ経験不足が原因の不感症であったセックスへの興味に対しての、媚薬的な、スパイス的な存在感であったから、幸い、まだ、それ以上に堕ちなかっただけなのかもしれなかったのだ…
 だが、理由はどうあれ、そんな心の中の誓いがわたしにはあったのであり、まだ、たまたま、それを守っていたタイミングであった。

 そして蓮はそんなタイミングに、彼自身の心の焦りから『コーク』つまり
『コカイン』という麻薬使用の誘いをわたしにしてきたのである…







ストーリーメニュー

TOPTOPへ