
シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング8 部長佐々木ゆかり
110 東京タワーのテレビ局
さすがに三度目のせいか、杉山くんは実に堂々と、ハッキリとした、相手にしっかりと内容が伝わるプレゼンをした。
その証拠に、東京タワーのテレビ局の担当者は、プレゼン中に何度も頷き、そして終わった瞬間に
「よおく分かりましたぁ…
後は連係して相談してお返事します」
と、すかさず話してきたのである。
連係とは…
そもそもがお台場のテレビ局の報道局長である杉山くんのお父様が発端のこの
『新規業務案件』であり、赤坂のテレビ局、そしてこの東京タワーのテレビ局の計三局を紹介してくれたというカタチであったから、そういった意味での
『連係』という言葉であるのだ。
そして単価の面でも赤坂も東京タワーもお台場と連係してくれるとの確認は既に取れていた。
後は、契約が長期なのか短期なのかの問題なのである…
「え…と、多分、20日過ぎ迄にはお返事できると思います」
と、担当者はそう言ってくれた。
これでようやく、わたしと杉山くんのお盆休み返上のプレゼン会議を終わらせられたのである…
「今日もなかなか良かったわよ」
会議室を出て、わたしはそう褒めてあげた。
「え、マジっすかぁ」
すかさずにこやかに、そして嬉しそうに応えてくる。
「うん、マジっす」
そしてわたしもそう応えてあげた。
「お、おやっ」
するとエレベーターに向かっているわたしの後ろから、そんな声が聞こえてきたのだ。
「え…」
その声にわたしは振り返る。
「おー、やっぱりぃ、お嬢さんじゃないかぁ…」
「え…、あ…」
わたしをお嬢さんと呼ぶ…
そんな男は一人しかいない。
「いやぁ、久しぶりだなぁ…
10年振りかぁ、いや、9年振りか」
ドキドキ…
「相変わらず美人だなぁ、うん、いや、更に艶気が増したかなぁ」
ドキドキ…
「あ…、い、稲葉さん?…」
そう、わたしを『お嬢さん』と呼ぶ男…
これも、過去の黒歴史の負の存在…
あの当時、テレビ局のディレクターと云っていた男『稲葉さん』であった。
あ、確か、このテレビ局だったか…
「うん稲葉だよ、覚えてくれていたんだぁ、いやぁ嬉しいなぁ…」
ドキドキ…
「あ…はい…」
もちろん覚えている…
いや、彼も忘れられない黒歴史の存在の一人であったのだ…
さすがに三度目のせいか、杉山くんは実に堂々と、ハッキリとした、相手にしっかりと内容が伝わるプレゼンをした。
その証拠に、東京タワーのテレビ局の担当者は、プレゼン中に何度も頷き、そして終わった瞬間に
「よおく分かりましたぁ…
後は連係して相談してお返事します」
と、すかさず話してきたのである。
連係とは…
そもそもがお台場のテレビ局の報道局長である杉山くんのお父様が発端のこの
『新規業務案件』であり、赤坂のテレビ局、そしてこの東京タワーのテレビ局の計三局を紹介してくれたというカタチであったから、そういった意味での
『連係』という言葉であるのだ。
そして単価の面でも赤坂も東京タワーもお台場と連係してくれるとの確認は既に取れていた。
後は、契約が長期なのか短期なのかの問題なのである…
「え…と、多分、20日過ぎ迄にはお返事できると思います」
と、担当者はそう言ってくれた。
これでようやく、わたしと杉山くんのお盆休み返上のプレゼン会議を終わらせられたのである…
「今日もなかなか良かったわよ」
会議室を出て、わたしはそう褒めてあげた。
「え、マジっすかぁ」
すかさずにこやかに、そして嬉しそうに応えてくる。
「うん、マジっす」
そしてわたしもそう応えてあげた。
「お、おやっ」
するとエレベーターに向かっているわたしの後ろから、そんな声が聞こえてきたのだ。
「え…」
その声にわたしは振り返る。
「おー、やっぱりぃ、お嬢さんじゃないかぁ…」
「え…、あ…」
わたしをお嬢さんと呼ぶ…
そんな男は一人しかいない。
「いやぁ、久しぶりだなぁ…
10年振りかぁ、いや、9年振りか」
ドキドキ…
「相変わらず美人だなぁ、うん、いや、更に艶気が増したかなぁ」
ドキドキ…
「あ…、い、稲葉さん?…」
そう、わたしを『お嬢さん』と呼ぶ男…
これも、過去の黒歴史の負の存在…
あの当時、テレビ局のディレクターと云っていた男『稲葉さん』であった。
あ、確か、このテレビ局だったか…
「うん稲葉だよ、覚えてくれていたんだぁ、いやぁ嬉しいなぁ…」
ドキドキ…
「あ…はい…」
もちろん覚えている…
いや、彼も忘れられない黒歴史の存在の一人であったのだ…
