
シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング8 部長佐々木ゆかり
109 8月10日日曜日午前8時20分
「佐々木部長、おはようございます」
偶然、会社のエレベーター前で杉山くんと会い、朝の挨拶をしてきた。
「うんおはよう…」
杉山くんの顔を見るなりわたしは、昨夜の昂ぶりの瞬間に彼の顔を一瞬だが浮かべてしまった事を思い出し、少しドキッとしてしまう。
「あれっ佐々木部長、寝不足っすかぁ?」
すると杉山くんは、わたしの顔を見るなりそう言ってきた。
「え、うん、わかるの?」
更にドキッとしてしまう。
「あ、はい、いやぁ、なんとなく目が赤いかなぁって…」
「えー、マジかぁ…
杉山くんに分かっちゃうなんてマズいわぁ…
なんか、なかなか寝付けなくてさぁ」
と、わたしは焦り気味に呟いた。
そうなのだ、昨夜は結局、あれからなかなか寝付けなく、明け方までうつらうつらしてしまったのだ…
「いやぁ、俺だから分かったんスよぉ」
笑みを浮かべながらそう言ってくる。
「もお、朝からなにバカな事言ってくるのよぉ」
わたしはこの杉山くんの軽い感じに、昨夜から続いていた嫌な感じの重い想いが少し軽くなった様な気がしてきた。
うん、この感じ…
この杉山くんの軽さはいいわ…
さすが杉山くんだわ…
昨夜の『三山蓮太郎』との黒歴史の思い出のモヤモヤが、少し晴れた感じになってきていた。
「大丈夫かしら」
わたしはそう呟き、エレベーターの中でコンパクトを取り出して鏡で顔を覗く。
「大丈夫っすよ、佐々木部長はいつでも美人さんですからぁ」
すると杉山くんがそう言ってくる。
「もお、調子に乗ってぇ…
ほらっ、今日もプレゼンあるんだからしっかり気合入れてよねっ」
「あ、はい、大丈夫っす」
すると、杉山くんはサッと締まった顔付きに変わり、そう返事をしてきた。
おそらく、昨日の赤坂のテレビ局でのプレゼンが自信になったのだろう…
少し、いつもの軽さとは違う、いい顔付きに変わったのだ。
わたしはそんな杉山くんの顔に、少しだけ新たな一面を見た様な気がした。
そしてこの杉山くんの明るさに、少し救われた気がする…
やっぱりこの明るさは越前屋さんに似ているわ…
「さあ、仕事頑張りますかぁ」
そしてわたし達は資料の準備をし、タクシーで東京タワーのテレビ局へと向かう。
外は真夏真っ盛りの暑さであった…
「佐々木部長、おはようございます」
偶然、会社のエレベーター前で杉山くんと会い、朝の挨拶をしてきた。
「うんおはよう…」
杉山くんの顔を見るなりわたしは、昨夜の昂ぶりの瞬間に彼の顔を一瞬だが浮かべてしまった事を思い出し、少しドキッとしてしまう。
「あれっ佐々木部長、寝不足っすかぁ?」
すると杉山くんは、わたしの顔を見るなりそう言ってきた。
「え、うん、わかるの?」
更にドキッとしてしまう。
「あ、はい、いやぁ、なんとなく目が赤いかなぁって…」
「えー、マジかぁ…
杉山くんに分かっちゃうなんてマズいわぁ…
なんか、なかなか寝付けなくてさぁ」
と、わたしは焦り気味に呟いた。
そうなのだ、昨夜は結局、あれからなかなか寝付けなく、明け方までうつらうつらしてしまったのだ…
「いやぁ、俺だから分かったんスよぉ」
笑みを浮かべながらそう言ってくる。
「もお、朝からなにバカな事言ってくるのよぉ」
わたしはこの杉山くんの軽い感じに、昨夜から続いていた嫌な感じの重い想いが少し軽くなった様な気がしてきた。
うん、この感じ…
この杉山くんの軽さはいいわ…
さすが杉山くんだわ…
昨夜の『三山蓮太郎』との黒歴史の思い出のモヤモヤが、少し晴れた感じになってきていた。
「大丈夫かしら」
わたしはそう呟き、エレベーターの中でコンパクトを取り出して鏡で顔を覗く。
「大丈夫っすよ、佐々木部長はいつでも美人さんですからぁ」
すると杉山くんがそう言ってくる。
「もお、調子に乗ってぇ…
ほらっ、今日もプレゼンあるんだからしっかり気合入れてよねっ」
「あ、はい、大丈夫っす」
すると、杉山くんはサッと締まった顔付きに変わり、そう返事をしてきた。
おそらく、昨日の赤坂のテレビ局でのプレゼンが自信になったのだろう…
少し、いつもの軽さとは違う、いい顔付きに変わったのだ。
わたしはそんな杉山くんの顔に、少しだけ新たな一面を見た様な気がした。
そしてこの杉山くんの明るさに、少し救われた気がする…
やっぱりこの明るさは越前屋さんに似ているわ…
「さあ、仕事頑張りますかぁ」
そしてわたし達は資料の準備をし、タクシーで東京タワーのテレビ局へと向かう。
外は真夏真っ盛りの暑さであった…
