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シャイニーストッキング

第9章 絡まるストッキング8        部長佐々木ゆかり

 113 稲葉ディレクター…(3)

 大学2年の冬…
 当時は渋谷か横浜界隈のディスコ、クラブ等に頻繁に出入りしていた時代であった。

 そこで自称優秀な商社マンだという30代前半の
『轟勇斗(とどろきはやと)』
 あだ名を『ロッキー』という男と知り合った…
 そして彼はその後約1年半の間のわたしのツレとなった。

 その彼は当時のわたしの好み、タイプの男ではあった…

 すっきりと清潔感のある男であり、その頃のわたしの周りにいた取り巻き連中の男達のようにギラギラしてなくて、スマートな男であった…
 そして自称優秀な商社マンと自分で云うだけあって英語、中国語、ドイツ語の3カ国語がペラペラで、また比較的お金もあった。
 そんな彼、ロッキーはその堪能な語学力を生かして当時盛んに横浜、渋谷、六本木界隈で遊んでいた外国人からスムーズに大麻、マリファナを入手してはわたしとキメセクをしていたのだ。

 あの大学2年当時は本当に、わたしの周りには常にわたしをチヤホヤと持ち上げ、崇め、下僕的に数人の男達が付いていたのだがそのロッキーという男はわたしにとっては別格な存在であったのである…
 だが、だからといって、当時のわたしにはロッキーを彼氏的な存在と感じた事も無かった。
 ていうか、あの当時、常にわたしの周りに男達が数多く存在していたのたが、恋愛感情は持った事は無く、いや、彼氏という交際相手を意識した事は全く無かったのである。
 だが、そんな中で、唯一ロッキーを彼氏ではなく『ツレ』または『相方』と呼び、認識をし、あの頃の夜は常に一緒に居た存在の男ではあったのだ。

 そして大学2年から3年生へと進級した春先に、そのロッキーと共に遊びの拠点を渋谷、横浜界隈から六本木界隈へと変えた。
 これは、ロッキーの仲良くお付き合いしているアメリカ人のブラザー系の影響によるモノであったのだ。

 ブラザー系…
 それは当時盛んに六本木界隈で遊んでいたアメリカ人の黒人系の総称の事である。

 このブラザー系のほとんどはアメリカ軍の横須賀や横田基地に所属している軍人が多かった…
 そして自称優秀な商社マンのロッキーは、何を主に扱っていたかは定かではなかったのだが、その自分の仕事でブラザー系達とは関わりがあった様なのだ。

 ただ、わたしが今の会社に就職したのは彼の影響があったのだと思う…

 

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