
シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング8 部長佐々木ゆかり
119 8月10日日曜日午後3時10分
わたしは午後2時半にイタリアンレストランで杉山くんと別れ、午後3時過ぎに一人で会社に戻った。
どっちみち明日はコールセンター部の当番出勤なのであるが、夕方には待ちに待った大原本部長が二泊三日の副社長とのゴルフから帰って来るから早目に彼のマンションに押しかけようと、いや、できれば彼の帰宅前に行って待ち伏せしちゃおうか…
位に考えていた。
だから、明日でもいい書類のまとめ処理を会社でしながら、夕方に彼に一度電話をして現在地を訊き、そして帰宅時間の逆算をして彼のマンションに向かおうと考え、会社に戻ったのである。
わたしの予想では彼の帰宅は夕方の午後6時前…
だから、それを考えると一度自宅に戻って出直すと待ち伏せできない可能性があるのだ。
そしてもちろん、今夜の彼との逢瀬を想定して、下着等のお泊まりセット等は用意してあった。
それに、そんな彼の予想帰宅時間である夕方まで待ち遠しくて堪らないから、仕事をして時間を潰すのが一番良いのだ…
と、も考えていたのである。
それ位に、今夜の彼との久しぶりの逢瀬は楽しみで仕方がなかった…
「よし、まずは仕事だ」
そう独り言を呟きながら、以前、彼が部長時代に使っていたコールセンター部唯一の個室である『部長室』に入り、書類のまとめ処理を始めていく。
こんなソワソワする時は、仕事をして時間を潰すのがちょうど良い…
それに、さっきの黒歴史の存在である『稲葉ディレクター』との突然の再会のザワザワとした騒めき感も、杉山くんの鈍感で、純粋無垢な無邪気感のおかげで上手く消えてくれていた…
そして最初の頃はソワソワ感があったのだが、いつの間にか書類の整理をしている内に集中できたのだ。
「ふうぅ…」
ふと、時計を見ると、午後4時45分になっていた。
お、ちょうどよい時間かも…
わたしはそう想いながら携帯電話を手に取り、発信ボタンを押す。
プルプルプル…
携帯電話の呼び出し音が、わたしの昂ぶりを高鳴らせてくる。
「もしもし…」
ワンコールで愛しい男の声が聞こえてきた。
『ゆかりです、大丈夫ですか?』
思わず昂ぶった声を出してしまった…
「ああ、うん…」
『あっ…』
あ、え…
なんとなくだが、愛しい男の声が暗く聞こえた。
わたしは午後2時半にイタリアンレストランで杉山くんと別れ、午後3時過ぎに一人で会社に戻った。
どっちみち明日はコールセンター部の当番出勤なのであるが、夕方には待ちに待った大原本部長が二泊三日の副社長とのゴルフから帰って来るから早目に彼のマンションに押しかけようと、いや、できれば彼の帰宅前に行って待ち伏せしちゃおうか…
位に考えていた。
だから、明日でもいい書類のまとめ処理を会社でしながら、夕方に彼に一度電話をして現在地を訊き、そして帰宅時間の逆算をして彼のマンションに向かおうと考え、会社に戻ったのである。
わたしの予想では彼の帰宅は夕方の午後6時前…
だから、それを考えると一度自宅に戻って出直すと待ち伏せできない可能性があるのだ。
そしてもちろん、今夜の彼との逢瀬を想定して、下着等のお泊まりセット等は用意してあった。
それに、そんな彼の予想帰宅時間である夕方まで待ち遠しくて堪らないから、仕事をして時間を潰すのが一番良いのだ…
と、も考えていたのである。
それ位に、今夜の彼との久しぶりの逢瀬は楽しみで仕方がなかった…
「よし、まずは仕事だ」
そう独り言を呟きながら、以前、彼が部長時代に使っていたコールセンター部唯一の個室である『部長室』に入り、書類のまとめ処理を始めていく。
こんなソワソワする時は、仕事をして時間を潰すのがちょうど良い…
それに、さっきの黒歴史の存在である『稲葉ディレクター』との突然の再会のザワザワとした騒めき感も、杉山くんの鈍感で、純粋無垢な無邪気感のおかげで上手く消えてくれていた…
そして最初の頃はソワソワ感があったのだが、いつの間にか書類の整理をしている内に集中できたのだ。
「ふうぅ…」
ふと、時計を見ると、午後4時45分になっていた。
お、ちょうどよい時間かも…
わたしはそう想いながら携帯電話を手に取り、発信ボタンを押す。
プルプルプル…
携帯電話の呼び出し音が、わたしの昂ぶりを高鳴らせてくる。
「もしもし…」
ワンコールで愛しい男の声が聞こえてきた。
『ゆかりです、大丈夫ですか?』
思わず昂ぶった声を出してしまった…
「ああ、うん…」
『あっ…』
あ、え…
なんとなくだが、愛しい男の声が暗く聞こえた。
