
シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング8 部長佐々木ゆかり
120 大原本部長との電話(13)
「もしもし…」
『ゆかりです、大丈夫ですか?』
「ああ、うん…」
『あっ…』
え、なに…
なんとなくだが、愛しい男の声が暗く聞こえたのだ。
そしてわたしのワクワク感の昂ぶりは一瞬にして、動揺と嫌な予感に襲われ、不惑な想いが湧いてきたのである。
え、なに、まさか…
「す、すまない、実は…」
すると愛しい男、大原浩一本部長が、電話の向こうから暗い声で呟いてきたのだ。
その彼の言葉は、全く予想外の話しをしてきたのである…
…それは、今日の午前中に実家の母親が心筋梗塞で倒れ、緊急入院をした…
と、いうのである。
『ええっ、それって大変じゃないですかっ』
わたしの不惑な想いは一瞬にして驚きに変わった。
「ああ、うん、ま、そうなんだが、決して危篤とかの重症ではないから…」
彼はそう言ってくるのだが、わたしには心筋梗塞というイメージは死に至る病のイメージしかないのだ…
だからわたしは慌ててしまう。
『ダメですよっ、急いで帰らないとっ』
と、思わずそう、一気に強く言ったのである。
「あ、いや、そうだよな…」
だが、彼は意外にもわたし程は慌ててはいないようであった。
だが、どうしてもわたしには心筋梗塞イコール『死』というモノがイメージされてしまうのだ…
『ハイヤーなんだから、軽井沢から直行しちゃえば良かったのにっ』
そして咄嗟にそう浮かび、思わず口にしたのだ。
「あっ…そうか」
今は高速道路網の整備もかなり進んでいる、だから、軽井沢からならば彼の栃木県の実家に帰るのも、東京に戻るのも、ほぼ時間的には変わらない筈なのである。
「ま、色々と準備もあるしさ、新幹線なら30分だから」
だが、彼はそう言ってきた。
『そうなんですか…』
「うん、危篤じゃないし、意識もちゃんとあるからさ」
『ならいいですけど…』
彼は意外とのんびりしている、どうやら本当に大した事がないのかもしれない。
だが、心筋梗塞なのだ、決して楽観はできない病気なのである…
「うん、心配してくれてありがとう」
すると彼はそう言ってくれる。
『いえそんな、当たり前ですから…』
そうなのである…
わたしは彼の彼女なのだ、愛しい男の母親が病気で倒れた…
心配するのが当たり前、普通なのだ。
「もしもし…」
『ゆかりです、大丈夫ですか?』
「ああ、うん…」
『あっ…』
え、なに…
なんとなくだが、愛しい男の声が暗く聞こえたのだ。
そしてわたしのワクワク感の昂ぶりは一瞬にして、動揺と嫌な予感に襲われ、不惑な想いが湧いてきたのである。
え、なに、まさか…
「す、すまない、実は…」
すると愛しい男、大原浩一本部長が、電話の向こうから暗い声で呟いてきたのだ。
その彼の言葉は、全く予想外の話しをしてきたのである…
…それは、今日の午前中に実家の母親が心筋梗塞で倒れ、緊急入院をした…
と、いうのである。
『ええっ、それって大変じゃないですかっ』
わたしの不惑な想いは一瞬にして驚きに変わった。
「ああ、うん、ま、そうなんだが、決して危篤とかの重症ではないから…」
彼はそう言ってくるのだが、わたしには心筋梗塞というイメージは死に至る病のイメージしかないのだ…
だからわたしは慌ててしまう。
『ダメですよっ、急いで帰らないとっ』
と、思わずそう、一気に強く言ったのである。
「あ、いや、そうだよな…」
だが、彼は意外にもわたし程は慌ててはいないようであった。
だが、どうしてもわたしには心筋梗塞イコール『死』というモノがイメージされてしまうのだ…
『ハイヤーなんだから、軽井沢から直行しちゃえば良かったのにっ』
そして咄嗟にそう浮かび、思わず口にしたのだ。
「あっ…そうか」
今は高速道路網の整備もかなり進んでいる、だから、軽井沢からならば彼の栃木県の実家に帰るのも、東京に戻るのも、ほぼ時間的には変わらない筈なのである。
「ま、色々と準備もあるしさ、新幹線なら30分だから」
だが、彼はそう言ってきた。
『そうなんですか…』
「うん、危篤じゃないし、意識もちゃんとあるからさ」
『ならいいですけど…』
彼は意外とのんびりしている、どうやら本当に大した事がないのかもしれない。
だが、心筋梗塞なのだ、決して楽観はできない病気なのである…
「うん、心配してくれてありがとう」
すると彼はそう言ってくれる。
『いえそんな、当たり前ですから…』
そうなのである…
わたしは彼の彼女なのだ、愛しい男の母親が病気で倒れた…
心配するのが当たり前、普通なのだ。
