
シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング8 部長佐々木ゆかり
128 あの夜…
「『居酒屋 越前屋』ってそのままじゃないっスかぁ」
越前屋朋美さんの叔母さんの経営している居酒屋の前でタクシーを降りると、杉山くんは屋号の看板を見えてそう笑った。
わたしはここに向かうタクシーの中で、この居酒屋を知ったいきさつをあらかた伝えておいたのだが、コールセンター部とはいえ杉山くんら営業課員達の3人の男達は、ある程度『新規事業保険』関連のメンバーを把握していたのだ。
それはそうである、杉山くん達3人の男達は皆20代後半の独身であるし、とりあえず『準備室』として現在は第2会議室を利用している、そして『新規事業』のメンバーの7割が女性であり、皆美人揃いの優秀な女性メンバーが集まっているからである。
だから、逆に杉山くん達が気にならない筈が無いのだ…
「あらぁ、部長さん、またいらして下さったんですかぁ」
暖簾をくぐると、越前屋朋美さんの叔母さまである女将が嬉しそうに言ってきた。
「はい、気に入っちゃってぇ、また、来ちゃいました」
「あらぁ、それは嬉しいわぁ、これからぜひご贔屓にして下さいね」
「あ、はい、これからバンバン通わせてもらいます」
「個室空いてますけど?…」
「あ、じゃあお願いします」
そんな言葉を交わし、わたしと杉山くんは個室に案内されだ。
「うわぁ、個室なんて、緊張しちゃうっス」
「なに、また、バカな事言ってんのよ…
もう今更でしょう」
と、わたしは笑いながら応えた。
そう、もう杉山くんと二人で食事をするのは何回目だろうか…
今更なのだ…
「え、あ、でも、個室なんて初めてだし、しかも夜だし…」
そう続けてくる。
「そんなこと言ってないで何飲むの?」
わたしはそう彼の言葉を軽く流したのだが、一瞬にして、あの初めて一緒に飲みに行った新橋駅前での焼き鳥屋の夜を思い出してしまったのだ。
あの夜は、焼き鳥屋の店内の満席のお客さんのもうもうと充満したタバコの煙の匂いが…
ビールの酔いと寝不足が反応してしまい、昔の黒歴史の『大麻乱用』の後遺症が発症したかの如くに意識を無くしてしまい、目の前のホテルで杉山くんと一夜を共にした、いや、何事もなく、どちらかといえば酔っ払ったわたしを介抱してくれたカタチの夜といえたのだ。
そんな、あの夜をわたしは思い出してしまい、誤魔化したのである…
「『居酒屋 越前屋』ってそのままじゃないっスかぁ」
越前屋朋美さんの叔母さんの経営している居酒屋の前でタクシーを降りると、杉山くんは屋号の看板を見えてそう笑った。
わたしはここに向かうタクシーの中で、この居酒屋を知ったいきさつをあらかた伝えておいたのだが、コールセンター部とはいえ杉山くんら営業課員達の3人の男達は、ある程度『新規事業保険』関連のメンバーを把握していたのだ。
それはそうである、杉山くん達3人の男達は皆20代後半の独身であるし、とりあえず『準備室』として現在は第2会議室を利用している、そして『新規事業』のメンバーの7割が女性であり、皆美人揃いの優秀な女性メンバーが集まっているからである。
だから、逆に杉山くん達が気にならない筈が無いのだ…
「あらぁ、部長さん、またいらして下さったんですかぁ」
暖簾をくぐると、越前屋朋美さんの叔母さまである女将が嬉しそうに言ってきた。
「はい、気に入っちゃってぇ、また、来ちゃいました」
「あらぁ、それは嬉しいわぁ、これからぜひご贔屓にして下さいね」
「あ、はい、これからバンバン通わせてもらいます」
「個室空いてますけど?…」
「あ、じゃあお願いします」
そんな言葉を交わし、わたしと杉山くんは個室に案内されだ。
「うわぁ、個室なんて、緊張しちゃうっス」
「なに、また、バカな事言ってんのよ…
もう今更でしょう」
と、わたしは笑いながら応えた。
そう、もう杉山くんと二人で食事をするのは何回目だろうか…
今更なのだ…
「え、あ、でも、個室なんて初めてだし、しかも夜だし…」
そう続けてくる。
「そんなこと言ってないで何飲むの?」
わたしはそう彼の言葉を軽く流したのだが、一瞬にして、あの初めて一緒に飲みに行った新橋駅前での焼き鳥屋の夜を思い出してしまったのだ。
あの夜は、焼き鳥屋の店内の満席のお客さんのもうもうと充満したタバコの煙の匂いが…
ビールの酔いと寝不足が反応してしまい、昔の黒歴史の『大麻乱用』の後遺症が発症したかの如くに意識を無くしてしまい、目の前のホテルで杉山くんと一夜を共にした、いや、何事もなく、どちらかといえば酔っ払ったわたしを介抱してくれたカタチの夜といえたのだ。
そんな、あの夜をわたしは思い出してしまい、誤魔化したのである…
