
シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング8 部長佐々木ゆかり
205 派閥…
今や本社内で山崎専務派、つまりは副社長派閥が絶対的勢力なのは周知の事実となっているのだ…
だから敢えてわたしは最近、こうして山崎専務の名前を出すのである。
すると誰もが余計な事は云わなくなるのであった。
「それにわたし実はバツイチなのよ…」
そしてこれも効果的なのである。
こうしてバツイチであるというと殆どが気を遣ってくれて、この手の話しを止めてくれるのだ。
「え、そうなんですか…」
そしてそれは彼女にも効果てきめんであった。
「なるほどぉ、山崎専務派閥かぁ…」
すると今度は鈴木くんが反応してきたのである。
「やっぱり派閥ってアレですか?」
やはり、鈴木くんは年齢的にも派閥の事は気になる様であった…
「うん、サラリーマンの世界では必要かもね、それに上を目指す為には必要不可欠かも…」
「そうかぁ…」
「もっともわたしの場合は、この派閥に関しては大原本部長の絡みなんだけどねぇ…」
「え、そうなんですか」
「ええ、そうなの…」
どうやら鈴木くんは出世にはかなり興味があるようである、いや、男なら、サラリーマンなら当然といえば当然である。
そんな事にまだ無関心なのは、このわたしの横で未だに固まっているこの杉山くんくらいであろう…
ま、そこがまた、彼のいいところでもあるのだが…
そしてわたしはとりあえず指先の絡みだけを解き、少しだけ呪縛を解いてあげる、のだが、まだ、面白いから脚は絡めておく。
「鈴木くんも頑張らないとね…」
「あ、はい…」
今回は、この杉山くんが大きな仕事を取ってきたカタチになっているから、先輩に当たる鈴木くんと、もう一人の営業課員の山中くんには内心穏やかでは無くなっている筈なのである。
「あっ、そういえばぁ、今度の
『新規…』ってぇ、アウトバウンド系なんですよねぇ」
と、そんな鈴木くんの内心なんて気にならない彼女がそう訊いてきた。
「え、うん、そうよ…」
アウトバウンド系って、分かっているのか?…
わたしは内心少し驚く。
「アンケート調査や、市場調査系ってぇ意外に大変なんですよねぇ」
と、そう言ってきたのである。
「ええっ、美咲ちゃん経験あるの?」
わたしは驚いて訊き返す。
「あ、はぁい、ここの前に約10ヶ月近く経験ありますぅ」
今や本社内で山崎専務派、つまりは副社長派閥が絶対的勢力なのは周知の事実となっているのだ…
だから敢えてわたしは最近、こうして山崎専務の名前を出すのである。
すると誰もが余計な事は云わなくなるのであった。
「それにわたし実はバツイチなのよ…」
そしてこれも効果的なのである。
こうしてバツイチであるというと殆どが気を遣ってくれて、この手の話しを止めてくれるのだ。
「え、そうなんですか…」
そしてそれは彼女にも効果てきめんであった。
「なるほどぉ、山崎専務派閥かぁ…」
すると今度は鈴木くんが反応してきたのである。
「やっぱり派閥ってアレですか?」
やはり、鈴木くんは年齢的にも派閥の事は気になる様であった…
「うん、サラリーマンの世界では必要かもね、それに上を目指す為には必要不可欠かも…」
「そうかぁ…」
「もっともわたしの場合は、この派閥に関しては大原本部長の絡みなんだけどねぇ…」
「え、そうなんですか」
「ええ、そうなの…」
どうやら鈴木くんは出世にはかなり興味があるようである、いや、男なら、サラリーマンなら当然といえば当然である。
そんな事にまだ無関心なのは、このわたしの横で未だに固まっているこの杉山くんくらいであろう…
ま、そこがまた、彼のいいところでもあるのだが…
そしてわたしはとりあえず指先の絡みだけを解き、少しだけ呪縛を解いてあげる、のだが、まだ、面白いから脚は絡めておく。
「鈴木くんも頑張らないとね…」
「あ、はい…」
今回は、この杉山くんが大きな仕事を取ってきたカタチになっているから、先輩に当たる鈴木くんと、もう一人の営業課員の山中くんには内心穏やかでは無くなっている筈なのである。
「あっ、そういえばぁ、今度の
『新規…』ってぇ、アウトバウンド系なんですよねぇ」
と、そんな鈴木くんの内心なんて気にならない彼女がそう訊いてきた。
「え、うん、そうよ…」
アウトバウンド系って、分かっているのか?…
わたしは内心少し驚く。
「アンケート調査や、市場調査系ってぇ意外に大変なんですよねぇ」
と、そう言ってきたのである。
「ええっ、美咲ちゃん経験あるの?」
わたしは驚いて訊き返す。
「あ、はぁい、ここの前に約10ヶ月近く経験ありますぅ」
