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シャイニーストッキング

第10章 絡まるストッキング9      美冴とゆかり

 158 その指向と嗜好と思考…

 そして、実は、その
『ストッキングラブ』という想いの指向と、嗜好と、思考は…

 多分に…

 このゆかりさんの心の中にもその想いがあると、いや、間違いなくある筈だと、わたしは秘かに感じてはいるのだが…

 今は、まだ…
 それついては言葉には出せないでいたのである。

 だが、間違いなく確信があるのだ…

 それは正真正銘、ゆかりさんと相思相愛の関係である大原浩一本部長の存在であった。

 彼が、あの時わたしに見せた
『ストッキングラブ』と
『ストッキングフェチ』度を、ゆかりさんに対して絶対に隠す事など出来る筈もなく、そして二年間も順調に相思相愛の関係を維持し、いや、より深く継続し、また彼女を、その愛情により更により美しく、魅力的に惹きたてている…
 と、いう明らかな現実を鑑みれば、そんな考えと想像は間違いない筈なのである。

 そしてゆかりさんもまた、間違いなく『ストッキングラブ』な女なのだと思われるのだ…

 だが…

 まだ…

 現時点で、それをゆかりさんに追及はしない…

 まだ、出来ない…

 いや、違うのだ…

 もしかしたら、それは今夜かもしれない…

 そして彼女にカミングアウトをさせて、より深く、深い想いでも結ばれたい…のである。


 そういう意味でも、このわたしが普段から…

 いつも…

 そして常に…

 ストッキングを穿く理由は…

 決して単純では無く、とても深い意味があるのだ。

 決して、素脚同士の触れ合う感触、云々な、そんな単純な理由からではないのである…
 そしてそれは、ゆかりさんにも当てはまる筈なのである。

 間違いない…

 だから…

 わたしはその想いを訊きたくて、聞きたくて、ジリジリとしてきてもいた…

 それは決して、この渋谷の暑さ、熱さではなく…

 ゆかりさんとの二人の想いの熱さ、暑さとも、云えるのだ…





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