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シャイニーストッキング

第12章 もつれるストッキング1   松下律子

 32 ウーマンパワー

「ま、まあ、とりあえずアレだな、そのプランナーの兼の企画書は?」

「はい、自宅のパソコンの中にあります」

「じゃあ、明日色々と提案したり、教えてくれないか」

「はい」

 やはり越前屋くんは私の秘密兵器のトップとなり得る…

 そして、また、この秘書の律子くんも、計り知れないパワーを持っていそうだ…

 いや、底知れぬ魅力かもしれない…


「大原常務、そろそろお時間ですが…」
 すると…
 秘書である律子くんがそう告げる。

「あっ、そうか…
 じゃ、ちょっと席を外すよ」

 時刻は午後3時…
 今度はこの生保会社内だけの役員会に出席する予定があった。

 本社ナンバーワン派閥の傀儡役員である私は、いくら新常務とはいえ、この生保会社内ではパワーバランスのトップである…
 だが、あくまでも表面上のトップは従来通り林田社長なのだ。

 そして私自身も暫くは大人しく、ナンバースリーとしての常務として関わっていくつもりであった。

 なぜならそれは…
 まだまだ時期尚早であるから。

 あくまでも傀儡役員…

 上からの指示が無い限りは暫くは静観をしていくつもりである。

 そしてその間に色々と勉強し、準備をし…

 新規プロジェクトの始動、成果と共に動けばよい…

 それまでに、秘密裏に力を蓄えていくのだ。

 力強い手駒は沢山いる…

 大丈夫だ…

 きっと…

「じゃあ、いってくる」

「いってらっしゃいませ」
 秘書である律子くんはそう畏まって返事をし…

「はーい」
 越前屋くんはそんな明るい返事をし、送り出してくれる。


 だが、彼女達二人の存在だけでもかなり力強い…

 そして私にはあと佐々木ゆかりという強力な片腕がいるのだ。


 素晴らしいウーマンパワー、いや、レディスパワーの存在が…

 前途洋々なスタートだと…思う。
 




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