テキストサイズ

シャイニーストッキング

第12章 もつれるストッキング1   松下律子

 34 『CFP』というビジネス資格

 そう、これからは生命保険商品だけではなく全てに関わる…
 ライフプランナーでありファイナンシャルプランナー等がかなり重要になってくる筈なのだ。

 いや、そんな時代になっていく筈なんだ…
 わたしもそんな越前屋さんの意見に同感してしまう。

 本当に彼女は優秀だわ…
 わたしは思わず感心し、そして関心もしてしまう。

 なぜならば、とにかく彼女は明るく、明快なのだ…
 なぜか、その明るさがわたしを魅きつけてくる。

「うむ、なるほどなぁ…」
 そして、どうやら彼、大原常務もわたしと同じ様な想いを持っているのを感じるのだ。

 わたしはそんな事を想いながら、黙って越前屋さんの話しを訊き、うんうん…
 と、頷く。

「あ、すいません…
 つい、熱くなっちゃってぇ…」

「いや、素晴らしい話しだよ…」

 そして大原常務はそう応え…

「CFP…」
 と、呟いた。

「え、大原常務、よくご存知で…」
 するとすかさず越前屋さんが食い付いてきた。

 彼が『CFP』を知っている…
 わたしも内心驚いてしまう。
 
「あ、うん、たまたまな、たまたま少し前だけどちょっとだけ勉強してなぁ」
 なんとなく慌てて答える。

「そうなんですよぉ…
 その『CFP』資格保持者はなかなかいなくってぇ」

「うん、そうらしいなぁ…
 あっ…」
 越前屋さんがそう応えた瞬間…
 彼がわたしを見てきて、目が合った。

「あっ、いた」
 そしてそう呟く。
 

「えっ?」
 すると彼のその反応に越前屋さんは気付き、そしてその視線の先にいるわたしを見てきたのだ。


「…だよな?」
 彼は想い出したかの様にそう呟いてきた。
 そう、わたしの履歴書の有資格欄には…
『CFP』って書いてある。

「はい…」
 わたしは静かに頷き、返事をする。

 そうわたしは…
『CFP』つまり
『サーティファイド ファイナンシャル プランナー』
 と、いうファイナンシャルプランナーの最高資格を有しているのだ。

 だが、まだ彼、大原常務はそんな資格の事は知らないと思っていた…
 しかし、知っていた。


「ええっ、あ、秘書のお姉さん、あ、すいません、え…とぉ?」
 すると越前屋さんは驚きの声を上げてくる。

 そう、この『CFP』はその位に希少なビジネス資格なのだ…




ストーリーメニュー

TOPTOPへ