シャイニーストッキング
第12章 もつれるストッキング1 松下律子
42 律子の秘密(4)
経営の神様…
それは一代で世界的な電器メーカーの創業者の呼称である。
「あ、は、はい…」
だけど、知っているというよりは…
そんな伝説があるという事を知っている程度であるのだが。
「あっ……そ、それって?」
そう律子は…
その『経営の神様』と呼ばれている人物と同じ苗字である事に気付いた。
「うむ…」
山崎専務はそう頷き、そして話しを続けてくる。
「そうなんだよ、律子はその『経営の神様』の孫なんだ…」
「え、ま、孫?」
「うん、それも秘密のな…」
「え、ひ、秘密?」
秘密の孫って何だ?…
秘密って事は、その親も秘密の?…
その親も秘密の存在なのか?…
私はそんな山崎専務の言葉に一瞬でそんな想いを浮かべてしまう。
だが…
「うむ、今、大原くんが思い浮かべた通りだよ…」
「え、あ、は、はい…」
「実は…」
その『経営の神様』一人娘しか居らず、その娘婿が正式に後を継いでいるのだが…
実は、過去に愛人が、つまり当時の言葉で云えばお妾さんが二人程おり、そしてそのお妾さんには一人ずつ、つまり二人の子供が存在していた…
そして律子はその愛人の子供の娘という事なのだが…
「実はその律子の父親は『経営の神様』が40歳過ぎに産まれた子で、かなり秘密裏に溺愛していて、会社を与え、それなりにバックアップしていたのだが…
実は先の『阪神淡路大震災』で亡くなってしまったそうだ…」
「え、あ、あの大震災で…」
その話しを聞いて、一瞬脳裏には、蒼井美冴の存在が浮かんできた…
やはり、彼女の最愛の彼氏もその大震災で亡くなったと、そしてそれが『黒い女』の由縁でもあったのだと。
だが、今は律子の話しであるのだ…
「あ、でも、父親はその震災で亡くなる以前に母とは離婚していたんですけどね…」
と、律子が脇から話しを挟んできた。
「ま、そんな溺愛していたお妾さんの息子な訳だから、当然、その娘、つまり孫も…」
「あ、はい、溺愛していた…」
と、私は呟く。
「ま、背景はそんな感じだ…」
そう山崎専務が言ってきた。
そうか、律子の出生の秘事にはそんな背景があったのか…
『経営の神様』と、世の中から崇め奉られている血脈が流れているのか…
経営の神様…
それは一代で世界的な電器メーカーの創業者の呼称である。
「あ、は、はい…」
だけど、知っているというよりは…
そんな伝説があるという事を知っている程度であるのだが。
「あっ……そ、それって?」
そう律子は…
その『経営の神様』と呼ばれている人物と同じ苗字である事に気付いた。
「うむ…」
山崎専務はそう頷き、そして話しを続けてくる。
「そうなんだよ、律子はその『経営の神様』の孫なんだ…」
「え、ま、孫?」
「うん、それも秘密のな…」
「え、ひ、秘密?」
秘密の孫って何だ?…
秘密って事は、その親も秘密の?…
その親も秘密の存在なのか?…
私はそんな山崎専務の言葉に一瞬でそんな想いを浮かべてしまう。
だが…
「うむ、今、大原くんが思い浮かべた通りだよ…」
「え、あ、は、はい…」
「実は…」
その『経営の神様』一人娘しか居らず、その娘婿が正式に後を継いでいるのだが…
実は、過去に愛人が、つまり当時の言葉で云えばお妾さんが二人程おり、そしてそのお妾さんには一人ずつ、つまり二人の子供が存在していた…
そして律子はその愛人の子供の娘という事なのだが…
「実はその律子の父親は『経営の神様』が40歳過ぎに産まれた子で、かなり秘密裏に溺愛していて、会社を与え、それなりにバックアップしていたのだが…
実は先の『阪神淡路大震災』で亡くなってしまったそうだ…」
「え、あ、あの大震災で…」
その話しを聞いて、一瞬脳裏には、蒼井美冴の存在が浮かんできた…
やはり、彼女の最愛の彼氏もその大震災で亡くなったと、そしてそれが『黒い女』の由縁でもあったのだと。
だが、今は律子の話しであるのだ…
「あ、でも、父親はその震災で亡くなる以前に母とは離婚していたんですけどね…」
と、律子が脇から話しを挟んできた。
「ま、そんな溺愛していたお妾さんの息子な訳だから、当然、その娘、つまり孫も…」
「あ、はい、溺愛していた…」
と、私は呟く。
「ま、背景はそんな感じだ…」
そう山崎専務が言ってきた。
そうか、律子の出生の秘事にはそんな背景があったのか…
『経営の神様』と、世の中から崇め奉られている血脈が流れているのか…