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シャイニーストッキング

第12章 もつれるストッキング1   松下律子

 43 律子の秘密(5)

『経営の神様』と、世の中から崇め奉られている血脈が流れているのか…

 だが、その『経営の神様』と孫の律子、そして山崎専務がどう結び付くんだろうか?…

 すると…
「そう、あれは今から約25年前くらいかなぁ…」
 再び山崎専務はやや宙を見つめ、そう、それはまるで過去に想いを馳せるかのような目付きをしながら話しを続けてきた。

「今から約25年前くらい…
 まだ松本副社長が第一営業部の部長で、私が課長に昇進したばかりの頃だ…」

 その時代はこれからバブル経済にまっしぐらという未曾有の好景気の走りでなぁ…
 もちろん私と松本副社長、いや、当時の松本部長とは名コンビとなり、バリバリと大口の営業成績を収め、社内では飛ぶ鳥を落とす勢いの名コンビだったんだ…

 そしてその頃松本部長が突然…
『経営の神様』から直接指導を受けられる『○○塾』ってのがあると話しを持ってきて、二人でその経営塾の門戸をくぐったんだよ…

「『○○塾』ですか…」

 その存在も、聞いた事だけはあった…

「うむ…
 それが『経営の神様』との縁の始まりだよ…」
 
 『○○塾』と云っても、ほら、子供の進学塾みたいな感じでは全く無くて…
 ま、もちろん、経営や経済の勉強会的な事もしたりはするんだが、簡単に云えば、他の業種や他の会社のトップや、新進気鋭のクリエーター達とのいわゆる異業種交流会みたいな感じであって…
 
「私と松本部長は人脈作りを目的に参加していたんだが…
 なぜか…
 特に私がその『経営の神様』の会長に気に入られ、事あるごとに目を掛けてもらい、声を掛けられる間柄になったんだよ…
 ま、最後まで、なぜ、そんなに気に入られたのかは謎のままだったが…」

「へぇ、そうなんですか」

「あぁ、うむ…
 そこで松本部長は特にファンド系の人脈を作り…
 私はどちらかというと、この保険業界やコンサルタント系の人脈を構築できたんだよ…」

 なるほど…
 それでのこの保険会社のM&Aの吸収合併と仕手戦だったのか。

「そして、そんな関係を築けて約10年くらいかなぁ…
 なんと会長から個人的な、そんな息子関係やその孫の存在の相談的な話しを交わす様になり…」
 
 その溺愛していた息子さんの会社の立ち上げや、バックアップを請け負い、更に会長とは個人的な縁が強くなったんだよ…



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