テキストサイズ

シャイニーストッキング

第12章 もつれるストッキング1   松下律子

 49 律子の秘密(11)


「ま、こんなカラクリだよ」
 と、山崎専務は話しを締めてくる。

「さあ、ママ、店に行こうか…
 あ、大原くんも来るか?」

「あ、いや、今夜は少し疲れてしまったんで…」
 帰りたかった。

「まあ、そうだな、大原くんにとっては、いきなりの話しと流ればかりだったかもしれないからなぁ」

「は、はい…」
 そう、朝から突然の常務就任の話しが始まりであったのだ。

「ま、明日からもまた忙しくなるから、今夜はゆっくりしたまえ」

「あ、はい、そうします」

 だが、目の前には律子がいるのだ…

 当然、律子のあのマンションに帰るという事は…

 避けられないのだ…

「さあ帰ろうか…」

「え、あ、はい」
 だから、敢えて自分から律子にそう告げる。

 私は、こうして、律子の物凄い秘密を知ってしまったのだ…
 だが、ビビる訳にはいかないし、日和る訳にもいかない。

 いつも通り、いや、いつも以上に、正々堂々と律子に対するんだ…
 いや、接するんだ、

 そして…
 もっともっと尖っていくんだ。

 じゃないと…

 逆に、律子に…

 吞まれてしまいそうだから…






ストーリーメニュー

TOPTOPへ