シャイニーストッキング
第12章 もつれるストッキング1 松下律子
50 わたしの秘密
「ま、こんなカラクリだよ」
と、山崎のおじさまは話しを締めた。
「さあ、ママ、店に行こうか…
あ、大原くんも来るか?」
だが、彼は…
「あ、いや、今夜は少し疲れてしまったんで…」
と、珍しく誘いを断ったのだ。
少し疲れてしまって…
それはそうであろう、どうやら常務就任は本当に今朝、正式に初めて知らされたようであったし…
そして突然のわたしの秘書就任…
朝から来客ラッシュ…
彼にとっては本当に目まぐるしい一日であったに違いない。
だがしかし、そんな突然の流れにも関わらずに『新規プロジェクト』のメンバーの越前屋朋美さんを呼び出し、さっそくこの生保会社の立て直しを検討するなど精力的に動き…
わたしはそんな彼の姿勢に改めて惚れ直し…
そして彼を奪う決意をしたのだ。
だからこそわたし自身も早く、彼と一緒にマンションに帰りたかったのであった…
「まあ、そうだな、大原くんにとってはいきなりの話しと流ればかりだったかもしれないからなぁ」
「は、はい…」
その彼の言葉の声音は本当に疲れた感じが出ていたのだが…
それは突然の常務就任のせいだけではなく、いや、それよりも、わたしの秘密の話しの内容に対する驚きのせいの方が遙かに大きいと思われる。
だってわたしの秘密の内容は、彼にとっては全く予想だにしなかった内容である筈だし…
その内容の濃さと重さに衝撃を受けたに違いない。
「ま、明日からもまた忙しくなるから、今夜はゆっくりしたまえ」
「あ、はい、そうします」
だから…
もしかしたら…
その内容の衝撃にわたしは…
今後、嫌われ、避けられてしまうかもしれない…
そんな恐さもあった。
いや…
多分…
そうなる可能性が高いかも…
だが…
「さあ帰ろうか…」
「え、あ、はい」
彼はわたしの手を握りながら…
そう言ってくれたのだ。
そしてその彼の態度はいつも通り、いや、いつも以上に、正々堂々とわたしに対し…
いや、接っしてきてくれた。
それは…
このわたしを…
このわたしの秘密を受け入れてくれた証しであろうと思われる。
さすが…
わたしが見込んだ、いや、愛するに値する男だ…
「さぁ、帰ろうか…
さすがに今日は疲れたよ…」
「ま、こんなカラクリだよ」
と、山崎のおじさまは話しを締めた。
「さあ、ママ、店に行こうか…
あ、大原くんも来るか?」
だが、彼は…
「あ、いや、今夜は少し疲れてしまったんで…」
と、珍しく誘いを断ったのだ。
少し疲れてしまって…
それはそうであろう、どうやら常務就任は本当に今朝、正式に初めて知らされたようであったし…
そして突然のわたしの秘書就任…
朝から来客ラッシュ…
彼にとっては本当に目まぐるしい一日であったに違いない。
だがしかし、そんな突然の流れにも関わらずに『新規プロジェクト』のメンバーの越前屋朋美さんを呼び出し、さっそくこの生保会社の立て直しを検討するなど精力的に動き…
わたしはそんな彼の姿勢に改めて惚れ直し…
そして彼を奪う決意をしたのだ。
だからこそわたし自身も早く、彼と一緒にマンションに帰りたかったのであった…
「まあ、そうだな、大原くんにとってはいきなりの話しと流ればかりだったかもしれないからなぁ」
「は、はい…」
その彼の言葉の声音は本当に疲れた感じが出ていたのだが…
それは突然の常務就任のせいだけではなく、いや、それよりも、わたしの秘密の話しの内容に対する驚きのせいの方が遙かに大きいと思われる。
だってわたしの秘密の内容は、彼にとっては全く予想だにしなかった内容である筈だし…
その内容の濃さと重さに衝撃を受けたに違いない。
「ま、明日からもまた忙しくなるから、今夜はゆっくりしたまえ」
「あ、はい、そうします」
だから…
もしかしたら…
その内容の衝撃にわたしは…
今後、嫌われ、避けられてしまうかもしれない…
そんな恐さもあった。
いや…
多分…
そうなる可能性が高いかも…
だが…
「さあ帰ろうか…」
「え、あ、はい」
彼はわたしの手を握りながら…
そう言ってくれたのだ。
そしてその彼の態度はいつも通り、いや、いつも以上に、正々堂々とわたしに対し…
いや、接っしてきてくれた。
それは…
このわたしを…
このわたしの秘密を受け入れてくれた証しであろうと思われる。
さすが…
わたしが見込んだ、いや、愛するに値する男だ…
「さぁ、帰ろうか…
さすがに今日は疲れたよ…」