シャイニーストッキング
第12章 もつれるストッキング1 松下律子
51 甘い体臭
「さぁ、帰ろうか…
さすがに今日は疲れたよ…」
わたしはその彼の言葉に…
思わず涙が溢れてしまう。
「おい、どうした?」
そのわたしの涙に気付いた彼はそう訊いてくる。
「え…あ、は、はい…
あ、わ、わたしで…
こんなわたしでいいんですか?」
「あ、うん、いや、何を言ってるんだよ」
「え、だって…」
「いや、まあ、大変驚いたけど…
律子は律子じゃないか…
キミはキミだ…」
「え…あ、う、うん…」
わたしはその言葉に一気に涙が溢れ、こぼれてしまう。
「あ、おいおい…」
すると彼はそう囁きながら、わたしの肩を抱いてくれる。
やはり、間違ってはいなかった…
彼を愛して正解だ…
彼は大きな男だ…
そしてわたしは彼に肩を抱かれ、ホテルのロビーに降りてタクシーに乗る。
「運転手さん、天王洲アイルまで…」
タクシーは夜の首都高速を滑る様に走って行く…
そしてわたしは後部座席で、彼に寄り掛かりながら…
「ふうぅ…」
大好きな彼の…
彼の独特の甘い体臭を…
いや、亡くなった父親と同じ甘い体臭を…
胸いっぱいに吸い込んでいく。
「おい、吐息なんてどうした?」
「え、吐息とは違います…
アナタを…
アナタを胸いっぱいに取り込んだんです…」
わたしがそう言うと…
「え、胸いっぱいに取り込んだって?」
と、訊いてきたから…
「秘密です…」
そう返した。
「あ、え、なんだ?」
「だから、秘密です…」
甘い、幸せな時間である…
いや、今から始まるのだ…
「さぁ、帰ろうか…
さすがに今日は疲れたよ…」
わたしはその彼の言葉に…
思わず涙が溢れてしまう。
「おい、どうした?」
そのわたしの涙に気付いた彼はそう訊いてくる。
「え…あ、は、はい…
あ、わ、わたしで…
こんなわたしでいいんですか?」
「あ、うん、いや、何を言ってるんだよ」
「え、だって…」
「いや、まあ、大変驚いたけど…
律子は律子じゃないか…
キミはキミだ…」
「え…あ、う、うん…」
わたしはその言葉に一気に涙が溢れ、こぼれてしまう。
「あ、おいおい…」
すると彼はそう囁きながら、わたしの肩を抱いてくれる。
やはり、間違ってはいなかった…
彼を愛して正解だ…
彼は大きな男だ…
そしてわたしは彼に肩を抱かれ、ホテルのロビーに降りてタクシーに乗る。
「運転手さん、天王洲アイルまで…」
タクシーは夜の首都高速を滑る様に走って行く…
そしてわたしは後部座席で、彼に寄り掛かりながら…
「ふうぅ…」
大好きな彼の…
彼の独特の甘い体臭を…
いや、亡くなった父親と同じ甘い体臭を…
胸いっぱいに吸い込んでいく。
「おい、吐息なんてどうした?」
「え、吐息とは違います…
アナタを…
アナタを胸いっぱいに取り込んだんです…」
わたしがそう言うと…
「え、胸いっぱいに取り込んだって?」
と、訊いてきたから…
「秘密です…」
そう返した。
「あ、え、なんだ?」
「だから、秘密です…」
甘い、幸せな時間である…
いや、今から始まるのだ…