シャイニーストッキング
第12章 もつれるストッキング1 松下律子
56 8月18日午前10時30分
『あ、うん、今日の午後から明日一日いっぱいまで越前屋くんを貸してくれないかな?』
と、彼、大原常務は外線でそう言ってきた。
「はい、うーん、一日半なら大丈夫です…
じゃあ、さっそく午後イチから行かせますね…」
そう返事をする。
『あぁ、よろしく頼むよ』
そして電話を切ろうとした時であった…
ガチャ…
受話器に切り替えの音が聞こえ…
『あ、佐々木ゆかり新プロジェクト室長様ですね、わたくし本日付けで大原常務様の専属秘書に就任しました…
松下律子と申します、今後ともよろしくお願い致します…』
と、秘書さんがいきなり電話の切り際に割り込んでそう言ってきたのである。
「え、あ、は、はい、こちらこそ…」
『じゃあ、失礼します…』
え、な、なんだ?…
秘書さんがいったい?…
その秘書の言葉に、咄嗟に、無条件反射的にはそう応えたのだが…
わざわざそんな言葉を切り際に言ってくるのだろうか?
と、なんとなく、いや、ザワザワと心の騒めきを感じてしまっていた。
え?…
松下…律子?
知り合いか、いや、名前に記憶は全く無い…
ただのお節介、いや、お節介ではない、出しゃばりか?…
きっとその秘書の松下律子さんも今日からで、初日だから、張り切っているのか?
『…よろしくお願いします…』
わたしの脳裏に、いや、耳の中に心地よい彼女の独特の…
そう、甘い、声音のトーンが残響の様に残っていた。
そして、急に、心に、いや、脳裏に…
『当て付け』?…
そんな単語が浮かんできたのだ。
あ、いや、違う…
張り合い?張り合うって?
わたしに対しての張り合いなのか?
わたしが彼の、大原常務の彼女、女だと知っている?
いや、それはあり得ない…
じゃ、なんだろうか、この違和感は?
ザワザワと心の騒めきが止まらない…
秘書の松下律子…
誰だ?
誰だろうか?…
「ふぅ…」
胸の騒めきが止まらない。
『松下律子』
全く名前に記憶は無い。
やっぱりただの出しゃばり女なのだろうか?
あ、そうだ…
「ねぇ、越前屋さん」
彼女を呼ぶ。
「あのね、なんかね、大原新常務が来て欲しいんだって…」
そう…
越前屋さんに秘書の様子を見て来てもらおう…
『あ、うん、今日の午後から明日一日いっぱいまで越前屋くんを貸してくれないかな?』
と、彼、大原常務は外線でそう言ってきた。
「はい、うーん、一日半なら大丈夫です…
じゃあ、さっそく午後イチから行かせますね…」
そう返事をする。
『あぁ、よろしく頼むよ』
そして電話を切ろうとした時であった…
ガチャ…
受話器に切り替えの音が聞こえ…
『あ、佐々木ゆかり新プロジェクト室長様ですね、わたくし本日付けで大原常務様の専属秘書に就任しました…
松下律子と申します、今後ともよろしくお願い致します…』
と、秘書さんがいきなり電話の切り際に割り込んでそう言ってきたのである。
「え、あ、は、はい、こちらこそ…」
『じゃあ、失礼します…』
え、な、なんだ?…
秘書さんがいったい?…
その秘書の言葉に、咄嗟に、無条件反射的にはそう応えたのだが…
わざわざそんな言葉を切り際に言ってくるのだろうか?
と、なんとなく、いや、ザワザワと心の騒めきを感じてしまっていた。
え?…
松下…律子?
知り合いか、いや、名前に記憶は全く無い…
ただのお節介、いや、お節介ではない、出しゃばりか?…
きっとその秘書の松下律子さんも今日からで、初日だから、張り切っているのか?
『…よろしくお願いします…』
わたしの脳裏に、いや、耳の中に心地よい彼女の独特の…
そう、甘い、声音のトーンが残響の様に残っていた。
そして、急に、心に、いや、脳裏に…
『当て付け』?…
そんな単語が浮かんできたのだ。
あ、いや、違う…
張り合い?張り合うって?
わたしに対しての張り合いなのか?
わたしが彼の、大原常務の彼女、女だと知っている?
いや、それはあり得ない…
じゃ、なんだろうか、この違和感は?
ザワザワと心の騒めきが止まらない…
秘書の松下律子…
誰だ?
誰だろうか?…
「ふぅ…」
胸の騒めきが止まらない。
『松下律子』
全く名前に記憶は無い。
やっぱりただの出しゃばり女なのだろうか?
あ、そうだ…
「ねぇ、越前屋さん」
彼女を呼ぶ。
「あのね、なんかね、大原新常務が来て欲しいんだって…」
そう…
越前屋さんに秘書の様子を見て来てもらおう…