シャイニーストッキング
第12章 もつれるストッキング1 松下律子
57 部長佐々木ゆかり(1)
「ねぇ、越前屋さん」
彼女を呼ぶ。
「はぁい」
「あのね…
なんかね、向こうの保険会社の方でね…
大原新常務がね、今から来て欲しいんだって…」
そう…
越前屋さんに、秘書の様子を見て来てもらおう…
「えっ、今からですか?」
「うん、そう…
でね、明日一日までだって…」
「えぇ、明日までなんですかぁ?」
「うん、そうなのよ…
でね、こっちの仕事は伊藤さんと健太、あ、武石くんに引き継ぎしてさ…
明日まで向こうに出向してくれるかなぁ…」
「は、はい、わかりましたぁ…」
「あ、それでね…」
「はい?」
「ついでにさぁ…」
「はい…」
「あ、うん、いや、そのぉ…
そう、常務就任のお祝いを伝えといてくれるかなぁ…」
さすがに、秘書の様子を見てきてくれ…
とは、言えなかった。
「あ、はぁい…」
「じゃぁ、段取りできたら直ぐに行っちゃっていいわよ…
わたしも今からコールセンター部2行かなくちゃならないから…」
「はぁい、了解でぇす」
越前屋さんは、心なしか少し嬉しそうであった。
それはそうだ…
お盆休みに入る前に、伊藤敦子さんの紹介面接を兼ねての居酒屋での談笑で、彼、大原常務に憧れている、と、云っていたのだから。
ま、越前屋さんに明後日、さり気なく秘書さんの様子を訊けばいいだろう…
「じゃ、よろしくお願いしますね」
わたしはそう彼女に告げて、コールセンター部へと向かう。
これからは
『新プロジェクト準備室長』ではなくて…
『コールセンター部部長』として
『新規業務』の為に、午後一番で会議に出掛けなくてはならないからだ。
そう、わたしは多忙なのだ…
「ねぇ、越前屋さん」
彼女を呼ぶ。
「はぁい」
「あのね…
なんかね、向こうの保険会社の方でね…
大原新常務がね、今から来て欲しいんだって…」
そう…
越前屋さんに、秘書の様子を見て来てもらおう…
「えっ、今からですか?」
「うん、そう…
でね、明日一日までだって…」
「えぇ、明日までなんですかぁ?」
「うん、そうなのよ…
でね、こっちの仕事は伊藤さんと健太、あ、武石くんに引き継ぎしてさ…
明日まで向こうに出向してくれるかなぁ…」
「は、はい、わかりましたぁ…」
「あ、それでね…」
「はい?」
「ついでにさぁ…」
「はい…」
「あ、うん、いや、そのぉ…
そう、常務就任のお祝いを伝えといてくれるかなぁ…」
さすがに、秘書の様子を見てきてくれ…
とは、言えなかった。
「あ、はぁい…」
「じゃぁ、段取りできたら直ぐに行っちゃっていいわよ…
わたしも今からコールセンター部2行かなくちゃならないから…」
「はぁい、了解でぇす」
越前屋さんは、心なしか少し嬉しそうであった。
それはそうだ…
お盆休みに入る前に、伊藤敦子さんの紹介面接を兼ねての居酒屋での談笑で、彼、大原常務に憧れている、と、云っていたのだから。
ま、越前屋さんに明後日、さり気なく秘書さんの様子を訊けばいいだろう…
「じゃ、よろしくお願いしますね」
わたしはそう彼女に告げて、コールセンター部へと向かう。
これからは
『新プロジェクト準備室長』ではなくて…
『コールセンター部部長』として
『新規業務』の為に、午後一番で会議に出掛けなくてはならないからだ。
そう、わたしは多忙なのだ…