シャイニーストッキング
第12章 もつれるストッキング1 松下律子
61 部長佐々木ゆかり(5)
咄嗟の思い付きだったから都合良いウソは浮かばなかったが、まあなんとか不自然さは無いような気がするのだが…
「ほら『新規プロジェクト』の兼ね合いもあるしね…」
なんとか最もらしい理屈を並べる。
「そうですよね、ゆかり部長は
『新規プロジェクト』の準備室長でもあり、大原常務が最高責任者には変わりないですもんね」
「うんそうなのよ、だから、できたらその秘書さんの人となりも知っておきたいかなぁってさ…」
至極、最もな屁理屈が完成した。
「じゃ今夜にでも訊いてみますよ」
「うんお願いね、あ、急ぎじゃないからさぁ…」
「はい、わかりました」
でも本当は直ぐにでも知りたいのだが…
そしてタクシーはコールセンター部のある西新宿のビル前に到着する…
「じゃあ、杉山くんと鈴木くんの二人で赤坂のテレビ局と、東京タワーのテレビ局の担当に電話して最終確認の打ち合わせをしちゃってね」
「はい、了解っす」
杉山くんが返事する。
「あ、あくまでもこの件は杉山くんが中心、主導だから鈴木くんは了承してね」
「はい大丈夫です、分かってますから」
そうこの件は杉山くんの手柄であるから、あくまでも彼中心、主導で業務案件は進めていくのだ…
例え鈴木くんが年上であっても、営業成績の手柄は杉山くんには変わりないから。
「杉山くんも鈴木くんに遠慮しちゃダメだからね」
「あ、はい…」
これには二人が同時に返事をしてきた…
それは二人が、営業の世界の厳しさとシビアさを十分に理解しているという事の表れでもあった。
「じゃあわたしは一旦『新規プロジェクト』の方に戻りますからね…」
そう、わたしは忙しい…
だが、今の優先事項はコールセンター部のこの『業務案件』であるのだ。
だから、今日は『新規プロジェクト』は定時で終了させ、その後またコールセンター部に戻るつもりであった。
「戻りました」
そう武石健太に声を掛ける。
「あ、お疲れさまです」
「何かある?」
「いや、これといっては…
あ、例の決起集会なんですが…」
「あ、うん」
「越前屋の叔母さんのお店でよいかな?って」
「あぁ、そうね、それはいいかも」
そう…
わたしは健太に『新規プロジェクト』の決起集会を兼ねた親睦会の段取りを頼んでいたのだ。
咄嗟の思い付きだったから都合良いウソは浮かばなかったが、まあなんとか不自然さは無いような気がするのだが…
「ほら『新規プロジェクト』の兼ね合いもあるしね…」
なんとか最もらしい理屈を並べる。
「そうですよね、ゆかり部長は
『新規プロジェクト』の準備室長でもあり、大原常務が最高責任者には変わりないですもんね」
「うんそうなのよ、だから、できたらその秘書さんの人となりも知っておきたいかなぁってさ…」
至極、最もな屁理屈が完成した。
「じゃ今夜にでも訊いてみますよ」
「うんお願いね、あ、急ぎじゃないからさぁ…」
「はい、わかりました」
でも本当は直ぐにでも知りたいのだが…
そしてタクシーはコールセンター部のある西新宿のビル前に到着する…
「じゃあ、杉山くんと鈴木くんの二人で赤坂のテレビ局と、東京タワーのテレビ局の担当に電話して最終確認の打ち合わせをしちゃってね」
「はい、了解っす」
杉山くんが返事する。
「あ、あくまでもこの件は杉山くんが中心、主導だから鈴木くんは了承してね」
「はい大丈夫です、分かってますから」
そうこの件は杉山くんの手柄であるから、あくまでも彼中心、主導で業務案件は進めていくのだ…
例え鈴木くんが年上であっても、営業成績の手柄は杉山くんには変わりないから。
「杉山くんも鈴木くんに遠慮しちゃダメだからね」
「あ、はい…」
これには二人が同時に返事をしてきた…
それは二人が、営業の世界の厳しさとシビアさを十分に理解しているという事の表れでもあった。
「じゃあわたしは一旦『新規プロジェクト』の方に戻りますからね…」
そう、わたしは忙しい…
だが、今の優先事項はコールセンター部のこの『業務案件』であるのだ。
だから、今日は『新規プロジェクト』は定時で終了させ、その後またコールセンター部に戻るつもりであった。
「戻りました」
そう武石健太に声を掛ける。
「あ、お疲れさまです」
「何かある?」
「いや、これといっては…
あ、例の決起集会なんですが…」
「あ、うん」
「越前屋の叔母さんのお店でよいかな?って」
「あぁ、そうね、それはいいかも」
そう…
わたしは健太に『新規プロジェクト』の決起集会を兼ねた親睦会の段取りを頼んでいたのだ。