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シャイニーストッキング

第12章 もつれるストッキング1   松下律子

 64 準備室室長佐々木ゆかり(2)

 午後7時過ぎ…
 わたしは越前屋さんの叔母さんの居酒屋に到着する。

「室長さんいらっしゃいませ…
 なんか予約頂いちゃって、お気遣いありがとうございます」
 と、越前屋さんの叔母さんである女将さんが声を掛けてきた。

 どうやら健太がさっそく、予約を入れたようである…

「いえ、わたしがこのお店気に入っちゃったんですよ」

「ありがとうございます」
 そして皆のいる個室に案内された。

「あぁ、ゆかり室長ぉ…
 お先にヤっちゃってますぅ…」
 と、さっそく合流した越前屋さんがそう言ってくる。

「あ、うん、いいわよ…
 それより健太、予約したのね」

「はい、なんかお座敷を通しにすると50人まで入れるそうで…
 さっそく金曜日の19時に決めちゃいました…」

「うん、わかったわ、ありがとう…」

 でも、確か30人に満たないはず…

「え、あ…は、はい…」
 すると健太が一瞬、固まった。

「ん、どうしたの?」

「あ、い、いや、今、あ、あの、天下無双だった、ゆ、ゆかり、ひ、め、あ、ゆかり室長にありがとうって云われたから…」

「あぁ、もう、ちょっとぉ、やめてよねぇ」
 健太は、あの大学時代の、しかもイケイケなわたしの『黒歴史』を思い返して固まっていたのだ。

「もぉ、さあ、早くぅ、ゆかり室長ぉ、何飲むんですかぁ」
 と、既にハイテンションな越前屋さんが脇から顔を出してきた。

「あ、うん、とりあえず生ビールかな」

「はぁい、了解でぇす」
 そしてそんな越前屋さんのおかげで健太の話しも終わる。

「じゃぁお疲れさまです」
 と、わたしが合流しての二度目の乾杯をした。

 一応、上座にわたしが座り… 
 左手側に武石健太と蒼井美冴さんが座り…
 右手側に越前屋朋美さんと伊藤敦子さんが座る。

 そして、チラッと美冴さんと目が合い、一瞬、お互いにドキっとした感じがした…




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