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シャイニーストッキング

第12章 もつれるストッキング1   松下律子

 90 律子の魅惑(13)

 私は、この律子が持っている隠された秘かな権力が…

 欲しいのかも…

 いや…

 欲しくなってきたのかもしれない…




「じゃあ、先に出るよ」

「はい、冷蔵庫にビールありますから…」

「うん、ありがとう」
 そして私は先にシャワールームから上がり、冷蔵庫から缶ビールを手に取りベッドへ歩きながら…

「ふう…」
 と、缶ビールを一口飲みながらため息を漏らしてしまう。


 そして、さっきシャワールームで想い浮かんだ自分の心の本音?…

 いや、願望?…

 野望?…

 それ等の想いに胸がザワザワするのを感じていた。

 
「あ、そうか、そういう事だったのか…」
 思わず独り言を口にする。

 以前に山崎専務から、あの生保会社の吸収合併完全子会社化と新システムな画期的なネット契約型の『新規プロジェクト』計画等のおおまかな概要を゙聞かされた時に、ある一つの疑問が浮かび…
 山崎専務に質問した事があった。

 そもそも、ネット契約型の新保険システムは、ゆかりの提案のレポートがきっかけであり、山崎専務と松本副社長の大絶賛を受けた企画立案がスタートのきっかけとなったのであるのだが…

『だけどそんな簡単には新規保険会社設立は、厚生省からは認可受けられませんよね?…』
 等々の疑問を、当時投げ掛けたのだ。

 だが、その時に山崎専務から…

『あぁ、そっちは全部押さえてあるから…』
 と、いう答えが返ってきたのだが…
 なるほど、役人等のコネも押さえてあるのか…位に軽く思っていた。

 だが、実はこれこそが…
『律子の権力のDNA』の事であったのだと思われる。

 いや、間違いないであろう…

『ある意味、色々な業種の集まる異業種交流会的な経営塾だ』
 確か、山崎専務はそう云っていた。

 それは、これ等の経済分野だけでは無く、政治的な、つまり、国の運営的な国家の役人達も含まれており…
 いや、下手すれば国会議員等に匹敵する存在までに及ぶのかもしれない。

 それ位にかの『経営の神様』の存在感は偉大であり…
 いや、律子の持つ『DNA』が強大で偉大であるという事なのだろう。

 すると…

 この私の異常なスピード出世といえるこの流れも…

 もしかしたら、この律子に見初められたせい…

 いや…

 おかげなのだろうか?…



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