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シャイニーストッキング

第12章 もつれるストッキング1   松下律子

 93 律子の魅惑(16)

 今夜知り得たそれら等々な邪の想いなんかでは無く…

 初めて抱いた時から秘かに感じていた律子の不思議な魅惑、魅力への…

 いや…

 愛、愛情なのだと思う。


 私は、初めての夜から律子を愛しているのだ…

 だから、ゆかりという存在がありながらも、律子を拒否する事が出来ずに…

 いや、心の中では律子を求めていた…

 いや、ゆかりの事も愛している…


 いや…

 二人とも同じ様に、愛しているのだ。

 

「あ、アナタぁ…」

 この律子の私を『アナタ』と呼ぶ、いや、この律子を抱いてから感じてきていた…
 そして秘かに魅かれていたあの私の中での『律子の七不思議』
 
 それは…

 私を貴方(アナタ)と呼ぶ…

 抱いていて昂ぶってくると自分で、いや、指先で自らを弄る…

 昂ぶりの喘ぎ声を必死に手で口元を押さえて防ごうとする…
 等々の、性癖。

 そしてまたずっと疑問であった…

 なぜ銀座で働いているのか…

 なぜこんな私、大原を好きなのか…

 男物の服が一通りある部屋…

 そして豪華なマンションなのに、冷た苦、殺風景なほどの何もない部屋…

 これらの凜とした美しさのゆかりには無い不思議さもまた、律子への魅惑を昂ぶらせ、高まらせてくる要因でもある。

 そしてそれ等を含めて魅惑、魅力が募り…
 昂ぶり、高まり…
 私は律子に魅かれ、魅了され、愛している、いや、愛してしまっているのだ。

「あぁ、アナタぁ…」

 ほら、この声にもゾクゾクと心が昂ぶり、揺らぎ、震えてしまう…

 性癖的な不思議さ以外は、今夜の山崎専務の話しにより…
 何となく理解できた。

 あとはこの性癖的な不思議さが…

 知りたい…

 そして知り得たら…

 益々、律子の魅惑の魅力に魅了され、魅せられ、惹かれてしまうであろう…
 ことも分かってはいる。

 そしてそれは、これから先の…

 ゆかりと律子という二人の存在感の板挟みの大きな壁になるのだろうとは、分かっているのだが…
 だが、知りたいのだ。

 それが、あのヤツ『ダック』に誓った『尖る』という思いであるから…

 


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