テキストサイズ

シャイニーストッキング

第12章 もつれるストッキング1   松下律子

 100 律子の秘密(12)

「そうだよ感じて…
 声を漏らしていいんだよ…」
 彼がそう耳元で囁いてくる。

「ん…ぁぁぁ…はぁぁ…」

 だけど…

 そう、あの頃は…

 声を…

 喘ぎ声を…

 漏らす訳にはいかなかったのだ…


「んん…ぁぁ…っくぅ……」
 わたしは絶頂感の震えを、そして昂ぶる喘ぎを無意識に…
 歯を食いしばり、必死に抑えていく。

 だが…

「んんっ、あっ、や、っくうぅぅ…」
 
 クリトリス弄りの絶頂感に…

 喘ぎ声を抑え、いや、押さえきれない…

「あぁぁぁ……」
 
 そして絶頂感に震え、喘ぎながら…

 あの頃の事を想い返し…

 いや、脳裏に浮かんできた…

「ぁぁぁ……」


 そう…

 あの頃…

 それは、今から約15年前のわたしが小学6年生の時に両親が離婚をした。
 
 当時のわたしは小さな頃から父親が大好きであり、そして今でははっきりと自覚できている…
 つまり、いわゆるファザコンであったのだ。

 だから離婚の際に本当は父親に付いて行きたかったのだが、とても傷心の母親を見捨てる訳にはいかなかったし…
 なによりも離婚の原因は父親の浮気であった。

 そしてわたしは幼稚園から大学まで一貫教育の某ミッション系の学校に通っていたし、勿論、当時はクリスチャンであったから…
 父親の浮気が許せなかったのである。

 だが、浮気は許せなくとも父親は大好きであった…

 だから母親が再婚して新しい父親と弟ができても…
 わたしは母親にナイショで、定期的に父親と逢っていた位のファザコンであったのだ。

 その当時のわたしはそんなファザコンであったから、父親と離れてしまった事が寂しくて寂しくて堪らなかった…
 
 そんな時…

 新しい家族である3歳年下の義理の弟から…
 大好きな父親と同じ甘い匂い、体臭を感じたのであった。

 とにかく父親の体臭は、独特な甘い香りなのだ…
 
 そんな独特で、特有な、甘い香りの体臭が、なんと義理の弟から感じられたのである…
 寂しいファザコンであった当時のわたしの心は、その父親と同じ香りにすっかり心が魅了され、魅かれてしまったのである。
 


 そしてわたしが16歳で義弟が13歳の時であった…

 その父親と同じ甘い香りに魅了されてしまい…

 禁断の過ちをしてしまったのだ…




ストーリーメニュー

TOPTOPへ