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シャイニーストッキング

第12章 もつれるストッキング1   松下律子

 101 律子の秘密(13)

 禁断の過ち…

 それは母親が再婚して2年目の夏…

 母親は特殊技術の工場を経営していた現在の義理の父親と再婚をした。

 後々に知った事なのだが、この再婚もその後の義父の事業の成功も、陰で『経営の神様』と云われていたおじい様の恩恵が多々あったらしい…

 その再婚相手の義父には、わたしの3歳年下の弟、つまり義弟の『優(ゆう)』がいた。

 母親の再婚により、その優と一つの家族になった時…
 わたしが14歳、その義弟となる優が11歳の時であった。

 優(ゆう)くんはその母親の再婚当初は、小さくて、可愛いくて、パッと見た目は女の子みたいな幼さと可愛いさがあった…
 だからわたしはその義弟となる優くんに直ぐに馴染み、可愛いがり、弟としての抵抗感を全く感じなく、すんなりと受け入れる事が出来たのである。
 
 そんな優くんもわたしを姉として直ぐに迎い入れてくれたのだ…

 そう、まだ、お互いに幼かったあの頃は…

 またその頃から本当の父親は自分の仕事の関係で関西方面へと移住をし…
 離婚当初は月に一回以上に逢っていたのだが、段々と逢える回数が月に一回、二ヶ月に一回、三ヶ月に…と、減ってきつつあった。

 そしてそれは、わたしの傷心、寂しい想いへと通じていたのだが…
 その義弟の可愛いさと、自分の高校への進学等々によりなんとか紛らわせられていた。

 いや、なんとか誤魔化せていたのだ…
 しかしそんな想いを秘かに抱きながらも日常生活を送り、夏休みを迎えた。

 そしてその頃はわたしも義弟も思春期を迎え、少しずつ大人への階段を登っていた時期でもあった…

 わたしには幼稚園から大学までの一貫校の流れで高校進学をし、新たな学校生活を送りながらの初めての夏休みであり…
 義弟の優くんも中学校へ進学し、おそらく男の子から男へと成長をしていく階段を一歩登ったタイミングでの夏休みだったのだと思われる。

 なぜならそれまでの見た目の幼く、可愛く、女の子みたいな感じから、身長が一気に伸び始め、サッカー部に入部したせいもあるのか、カラダの厚みや筋肉も付き始め…
 可愛いから、少しずつ格好いい男の子、男へと見る見る変化、成長してきていたのをわたしは秘かに感じていたから。
  


 そして夏休み…

 まずわたしは、ある変化を感じたのだった…




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