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シャイニーストッキング

第12章 もつれるストッキング1   松下律子

 106 律子の秘密(18)

『り、律っちゃん…』

 その時、わたしは恐怖で目を瞑っていたのだが…
 何かが、唇に触れてきた。

 あっ、えっ?…

 なに?…

 ゴロゴロ、ドドーンッ…

『ひぃっ』
 わたしはビクっと震え、叫びを上げた、いや、叫んだつもりだったのだが…

 
 えっ…

 き、キス?…

 唇を押し付けられているの?…

 そう想った瞬間であった、優くんがギュッとキツくわたしを抱き締めてきて…


 あ、あぁ…
 ヌメっとした熱く、何か柔らかな感触が、唇を割って入ってきたのだ。

 え、し、舌が?…

 わたしはキスをされている…

 そう実感した瞬間であった…

 ドキドキドキドキ…

 一気に胸が高鳴り、心が昂ぶり…

 カラダ全体が熱くなってきた。

『は…ふ…』
 優くんの舌先が荒々しくわたしの唇の中で踊る様にうねる…
 そしてわたしは胸をドキドキと高鳴らせながら、無意識にその舌先に自らの舌先を絡めてしまう。

 あ、あぁ…
 すると、熱く、甘い、優くんの唾液が中に溢れてきて、心が震えてきた。


『り、律っちゃん…』
 唇の隙間から優くんがわたしの名前を囁いてくる。

『……ぁ…ぁぁ…』

 だがわたしは…
 応えられないでいた。

 ゴロゴロッ、ドドーンッ…
 再び激しい震動を伴う雷鳴が鳴り響いてきた。

『ひぃっ…』
 またビクっと震え、しがみつく。

 すると優くんは、それが合図の様にまたわたしを更にキツく抱き締めてきて、唇を吸ってくるのだ…

『ぁ、ぁぁ…』

 雷の恐怖と初めてのキス…
 
 この抱き締められるという抱擁の心地よい快感と安心感…

 心の激しい高鳴りと昂ぶり…

 そして…

 ゴロゴロッ、ドドーンッ…

 激しい雷鳴の響きが…

 わたしの心の中まで鳴り響き…

 パニックでは無いのだが…

 意識が跳んでいきそうになってきていた…

『……ぁ、ぁぁぁ………』

 いや、一瞬…

 意識が跳んだのかも…

 翔んでしまったのかも…

 しれない…


『……ぁ…………ぁぁ……………』






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