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シャイニーストッキング

第12章 もつれるストッキング1   松下律子

 134 律子の秘密(46)

 そして夜に声を押し殺し、お互いを求め合う…
 そうなっていくのは必然であったのだ。

 わたし達は、家族全員が二階で寝ていた。

 義父と母親の寝室は階段を上がった正面に位置し、わたしと優くんの部屋は階段を挟んだ両側にある…
 そしてこの家は典型的な4LDKの一般的なサイズの家で、特別に広い家では無い。

 だからいくら夜、深夜とはいえ、お互いの部屋、いや、比較的多く優くんがわたしの部屋に訪れたのだが…
 上手く気配を消し、静かに歩かなければ廊下が軋む音がしてしまうのであった。

 そしてまた母親は比較的寝るのが遅いので…

 ある日…
『優くんはたまに律ちゃんの部屋で勉強でも教わってるの?』
 と、訊かれた事があった。

『えっ、う、うん、あ、あの時はそうね宿題を教えてあげていたの』
 わたしも咄嗟にそんな嘘が言えたのだが…
 ドキドキしてしまった。

 だが…

 盛りのついたメス犬の如くのあの時のわたしには…

 優くんとの禁断の逢瀬を拒否するという選択肢は全く無く…

 結果、必死に昂ぶりの声を…

 喘ぎ声を押し殺し…

 気配を出来るだけ無くして忍ぶという…

 そんな選択をし、更に激しくお互いを求め合う…

 いや、求め合っていったのであった。


 とにかく…

 禁断で背徳感の快感は…

 ますます強烈になっていき、止められなくなっていたのだ。

 いや更に激しく、お互いを求め合う様に加速していった…

 だからどんどんと感度が上がりカラダもより女らしく成長をし…

 そしてソレは優くんも同じ事であり…

 より女らしく…

 より男らしく…

 そしてより仲良くなっていったのだ。

『ホントに二人は仲良しねぇ…
 まるで本当の姉弟みたいよねぇ…』
 その頃から母親はよく、そう云うようになっていた。

 そしてその相思相愛の禁断の近親相姦の関係は…

 約二年間続き…

 昂ぶりの声を押し殺す…

 自らを弄る…

 等々、すっかりと心とカラダに染み込んでしまったといえるのだ。

 そして…

 わたしの大学進学という転機により、その関係は終わり…
 距離感が出来た事により今度は、心のトラウマとして奥深くに根強く住み着く事となっていったのである。

 これが絶対に彼には云えない…
 秘密の一つである。





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